第七〇五回 お月様が見ている。
――君が、自分の力だけで、皆がいるだろう、大浴場へ歩くところも。
片脚だけで、慎重に……
そして僕は、見届けたの。君が大浴場に、無事に入るところまで……
君とは、僕の親友のこと。
真っ白へ変わる脳内……
気持ち良さが広がる。見事なるリラックス効果を得られたようだ……
…………すると、
「うおっ、何でここにいる?」と、声が聞こえる? 割と近くのようで、
「はうっ、ちょ、ちょっと?」と、僕の視界に、そのど真ん中に、有り得ないと思っていた……それどころか、思いもしなかった光景が、そうそう、何かの間違いだよね……
そう思いつつも、紛れもなく
と言うも、それしか言葉が見付からず……
「でもさ俺、男湯から入ってきて、ここに辿り着いたんだけど。……露天風呂があるって聞いたから。
――嵌められた。
同じことを思ったの。僕も太郎君も、その……全裸で。僕は顔からは、恐竜映画並みの火が出ていて……って、「とにかく浸かる、僕の横にいて」と、グイッと引っ張る、太郎君の手を握って。初めて見るお互いの裸ではないけど、恥ずかしいことには違いない。
研修の、その真っ只中で。修学旅行とは違うのに……
『素敵なことが起きるから』――凛ちゃんが言っていたことの意味は、ここからなの?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます