第六九四回 方程式もまた、ある意味では小説よりも奇なり……のようなの。
――それはまた、僕が『ウメチカ』という連載を続けていることも、含むのかな?
今、僕は僕として生きている。今生の出会いを繰り返しながら……
――変えてもくれたの。
こんなこと、普通は綴れないよね? 何故こうなったかというとね、
僕らの出会いは決して偶然ではなく、近頃は、変わったことが続いているからで、迂闊にも高熱が出たから……梨花は励ましてくれた。傍にいて……
「ダメだよ梨花、僕の傍にいたら」
と、お布団の中で涙目で見ていると、梨花を……
「言いっこなしだよ
と、梨花は力を込めて言うから、
「あの、状況わかってる?」「百も承知、お姉さんの絶対命令なんだから、文句言ったら叩くよ」……怖かった。梨花なら本当にやりかねないから。そして僕は言うの……
「ちょっとだけ待って。書きたいの、どうしても」
と、訴えるような感じにきっと見えたと思う、梨花には。そして梨花はニッコリと、
「わかった。僕は準備するから、パジャマに着替えて。……あと、ゼリーも取って来るから、体を温めてやるんだよ」と言って、梨花は僕のお部屋を出た。……そうなの。面と向かっては言いにくいことなの。それは、そっと、あなたに――ありがとうと。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます