第九十六章 激闘の夜明けには、新出発が待っている。
第六七七回 もう一つの令和四年の三月三十日。――千佳の場合。
――それは、四月に向かうための準備ともいえる。その身も心も。特に女の子なら。
この日の午後にKAC……『アニバーサリー・チャンピオンシップ』の全十一回のお題は終了した。特にこの度の、日記というお題は、〆切ギリギリで何とか……投稿に至ることができた。それは読者様の応援があったからこそ、僕ら姉妹は完走できたの。
――励まし合った。
喧嘩もあったけど、きっと僕は、梨花と一緒だからできた。
その役割はこうだ。梨花は主にアイディア。僕はそのアイディアを体験して、執筆してゆく。これ以上の息の合ったコンビは他になし……二人で得た今年もまた完走。
そしてセピア色……
夕立ともいえる急な雨……
時は夕方も間もなく近しと、午後四時の最寄りの駅。梨花と二人、出掛けていた。不要不急ではなく、大いに急用……想い出は繰り返すように、その想い出の糸を手繰る。何度も何度でも……マジカルエンジェルという少女ものアニメ。大ファンだった二人とも。
その限定版の日記帳。それをしっかり抱きながら。
売り切れの一歩手前。間に合った二人。一人一冊ずつ手に入れている。そうであるならば、三日坊主とは無縁の世界。毎日更新で鍛えた持続……この眠りの向こうへ。
眠りの中、電車は通り越したけど、最寄りの駅。
されども、また、ぶり返す眠りの。電車はまたも通り過ぎる。反対方向にある高槻という名前の駅。今度こそは乗り越さない乗車。梨花と横並びに……
日記帳はまた、書き綴る日々の出来事を、素敵なドラマにしてゆくの。
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