第六七五回 早朝のランナウェイ。


 ――旋風と疾風の違い。違いの分かる齢十五は走る、駆け抜ける、朝の光の中を。



 まずは二二六事件が起きた日を越えた今日、サタデーナイトも超えて今日に至る。


 ちょっとした事件ならあった。それが偶々たまたま二月二十六日だった。……星野ほしの家に偶々起きた、ちょっとした事件だ。早朝よりも、もっと前の深夜の出来事。


 忍び寄る足音……

 キシキシ……と、静寂の彼方で響き渡っていた。


 まだ二十六日になる前の時刻、僕はすでに誘われて眠りの中へ。そのことも踏まえ、夜更けに目を覚ますこととなった。ちょうどその時はベッドの上で、更にはお布団の中。


 そして体が温まるのを待ってから、挑む、今再びのウメチカの更新。PCはもう起動してあった。つまりは、寝落ちしてしまった。しかも目の当たりに、エブリアニメのキャラの大きなぬいぐるみがあるということはね、しっかりと抱いていたということの証明。


 お布団は恋しいけれど、眠い目を擦りつつ……


 机に向かう。PCの前に身を置き、執筆の開始。僕の場合は、とにかく座ることから始まる。スイッチの切り替え、『やる気スイッチ』ともいうけど、僕の場合は、もっと緩やかなイメージ。喩えるなら、僕のお勉強と同じ。お勉強という概念がなくて、勝研ゼミのテキストで遊んでいるという感覚。読書も同じ。気が付いたらいつの間がヨムヨムで。


 ちょうどそんな時に起きた。


 底冷えする椅子、催するの。……当然だった。暖房機器を作動させてなかったから。心を決め、お部屋を出る。とにかく暗い。歩むもまた暗い中……その目的地はおトイレ。


 女の子は尿意を我慢できないものだから、


 おトイレは暗かったのだけれど、ドアを開けようとしたその途端、――そのドアは、何と勝手に開いたの。身体は硬直しちゃって、サーッと上から下へと流れちゃって……


「あっ、千佳ちか……」


梨花りかのバカ……」そうなの。とっても恥ずかしかった、ちょっとした出来事だった。



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