第六七〇回 ――そしてもう一つ。今年の二月二十二日は!


 ――何と、スーパー猫の日! 二が六つも揃っている。



 西暦は二〇二二年、二月二十二日。令和二年二月二十二日を上回るゾロ目。――しょうさんがそう告げていたの。僕らは初めて知った、二月二十二日が猫の日ということも含め、昨日がさらに『スーパーにゃんデー』ということを。……ちょっとした雑学なのかな?


太郎たろう、合格おめでとう! 昨日の誕生日も併せてな。春からまたよろしくな、これでお前はめでたく俺の後輩だ。やるんだろ? 生徒会のジャッジメントってやつを」


 そうだったの、実はこの時……


 思い出したの、翔さんは学園の高等部。僕らが一年生になる時、翔さんは二年生になるということ。確かに先輩となる。……いや、それ以前にもっと驚くべきことが。


「翔さんもやるの? って、何でそのことを知ってるの?」


 そう、それが不思議なの。まだ形にもならずに準備中の、生徒会のこと。せつや太郎君が学園の生徒となってから行われることで、極秘裏に進めていたこの計画のこと。


 ……だけど、


「わかるよ、シャルロットさんを通して摂から聞いてるから。何しろ梨花りかがその一員になるのだから、俺がいないわけにはいかないだろ? それにな、師匠だって今しかできないことをやるんだって言ってるしさ……」と言うの、翔さん。


 それにしても師匠って……


「ま、そういうこと。翔のこと、よろしく頼むよ、お嬢ちゃんにお坊ちゃん」


 何と店主なの。会田あいださんと呼ばれるこのお店の店主。


 隠し事もない、透明感保つ師弟関係を垣間見る……。ならば極秘裏も、この二人にはもはや極秘裏ではなく、普通に青春の一ページ。それにしても、どうして梨花がその一員だからって、翔さんに関係があるの? と思っていると、語るの、そっと語る……


「梨花は、俺には妹みたいな存在だから。ちと生意気だけどな」と、そのように。であるなら、僕はまたその妹? 一応は梨花の妹だから。因みに太郎君は弟ということかな?



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