第九十章 ――輝ける迎春。

第六四六回 令和四年元旦。


 ――あけおめ!



 思っていたよりも穏やかな目覚め。空気は冷たく息も白く、お外はまだ暗い様子。元旦という特別な日だけれども、僕はいつもと変わらないルーティンを心掛ける。


 起き上がって着替える。


 パジャマから、動きやすい服装へ。最近は薄い生地だけれど、温かさ抜群のスーツがあるの。この間、ドラッグストアーで購入したもの。それを着用。肌にピッタリ合う。


 ボディースーツの色は、ブラック。

 その上に着るの、黄色のジャージ。


 そして駆け出す。玄関のドアも開けてお外へと。徐々に変わる明暗、その色彩も。それは走る中で起きること。または感じること。カントリーロードを只管に走っている。


 その中で日は出。初日の出を見ることに。


 次第に色づく風景は、家族の目覚めに繋がってゆくの。梨花りかと顔を合わせるなり、


「あけおめ!」


 それが交わす言葉。着ているものは、やはり温かさ抜群なため、汗まみれになっているから、そんな僕の様子を察する梨花は「一緒に入ろ、お風呂。洗ってあげるから」


「うん」


 ということで一緒に浴室。見れば見るほど、僕と瓜二つな梨花。ボディーラインもほぼ同じ。胸も……と、思っていたら「違うよ、微妙に」と、梨花は答えたの。僕はまだ、声にしていない言葉だったのに、何でわかるの? とも思ったら、またも……


「わかるよ、千佳ちかのことは。

 千佳の方が僕より引き締まっているから、とても触り心地がいいから……」


「ちょ、ちょっと梨花、どこ触ってるの?」


 という具合に……これ以上の表現は、とっても。まあ、何がともあれ、お湯に浸かる。

 梨花と一緒に並んで、湯船へ。そして初風呂も、梨花と一緒となった。



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