第六四五回 それから大晦日。~千佳の夢と煩悩。
――喩えるなら、百八つの鐘の音に。大寒波は、ここでも感じる寒さ。
深々と、降り積もる雪のように、
僕は今日もまた執筆をする。毎日更新には至らなかったけれど、できる限り力の限り闘う思いで。『書くと読む』の七回目のコンテストを思い切りエンジョイするつもりだ。
この間のXマスのプレゼントは、パパからの深い愛情……
それはバルコニーだ。最近のお家は煙突がないので、バルコニーから侵入するのだ。そして偶々なの、偶々……バッタリと顔合わせしちゃったの、サンタさんと。もちろん白いお髭と赤いコスチュームは絵本で見るのと同じ。ぬいぐるみを抱いていた。
そのぬいぐるみは、エブリ系の『紅の子豚ちゃん』……フム、僕のツボを心得ているようだ。僕が欲しがっていたもの。人は欲の塊。食欲、睡眠欲、性欲、物欲……と、それらがあるから、生きていけるのだと思う。もし欠如したり、諦めとなったら……生への執着も薄れることだろう。このエッセイを書き始める前に比べたら、欲も多くなってきた。
前向きにもなってきたと……
自分でも、確かに握っている感触……それがある。
そして今、目の当たりにはサンタさん。ビッグなウインドウを開けて入れてあげた。僕のお部屋へと、おもてなしをしてあげた。もう隔たるものはなし。僕とサンタさんの間。
「パパ、もう去年の時点でバレちゃってるから……
サンタさんに扮しなくても。でも、ありがと。Xマスプレゼント」
「
……と、言うの。梨花にもバレちゃっているけれど、まだそのことを、パパは知らないし……まあ、今のところはまだ、パパに内緒ということで。――そんなこともあったけれど、来年もまた宜しくね。新年早々、またもドタバタになりそうだから。
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