第六四三回 それは、スペシャルな日々。
――思えば、そうなの。
僕は十二月で『
梅田
ティムさんとの出会いこそが……
すべての始まりだったのかもしれない。そして今日は、会いに行くことにしたの。
学園からは、とっても近い。芸術棟からは隣接している環境なのだ。学級の状況は、以前よりもフレンドリーなものになっているの。修学旅行を終えてから、学級の翳りは消えていた。……そう思っても、もう大丈夫。今はもう、進路の方に重きを置いている。
学園の高等部に進学する生徒も、
学園外の高校に受験する生徒も、今はもう切磋琢磨の良いバランス。僕はもちろん
とある小説の『書くと読む』も、僕らは続ける。
梅田から星野に姓が戻っても、ティムさんからパパが変わっても、僕は『ウメチカ』のままで、
――そう思った時、
そのタイミングで、アマリリスは響いた。学園の一日の終わりを、そっと告げた。
歩み始める僕の足。するとだね……
「千佳、一緒に行こっ」と、声を掛ける梨花。その傍には
「二人とも……?」
「ティムさんは、僕にとってもパパだし、可奈だって、正確には僕らの親戚だから」
と、言ってくれた梨花。頷く可奈……込み上がる嬉しさ。僕の心が舞い上がるの。
「ありがと、梨花、可奈」
僕ら三人は、あの頃のように手を繋ぐ。出会い間もなき、あの頃のように……
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