第六四二回 それは、十二月にあるもの。
――修学旅行の最後を飾ったのは、やはり枕投げだった。それは、輝ける
その眩い輝きのまま、まるでドラマのように時は流れる。白く輝く時……
そして師走。だけれども、そんなには忙しなくなく、心にはホッと温まるそんな印象も齎していたの。何だか久しぶりだね、皆。ウメチカの執筆も、温かいココアのように。
今は、もう自分のお部屋。隣のお部屋には
そう。自分のお家。バルコニーから見る景色は、まるでシャンデリアのような夜の、雪化粧……息も白くて、暖房機器も充実して、ほんわかと稼働しているの。
十二月のこの日、Xマスのソングが響く頃、
お母さんから聞いたの、
それで今日は、旧一おじちゃんのことを執筆している。もしも旧一おじちゃんが永遠の十五歳ではなく、今も、生きていたとしたら、僕はきっと一緒に遊んでいた。
お母さんと二人暮らしの貧困の最中も、ボッチの最中の僕も、きっと心強かったと思えるの。……幽霊でも、僕のことをいつも見守って、いつも助けてくれたから。
でも、幽霊じゃ寂しいの。
僕は、旧一おじちゃんの手の温もりを知らない。抱っこの感触も知らずに。
……最近はね、お母さんが旧一おじちゃんのこと、話してくれるの。梨花と同じでバンプラが大好きだったことも、そして僕と同じようにエッセイを、したためていたことも。
その時代にはまだ、小説サイト以前に、ネットというものも存在していなくて、……僅かに残されているノートの片隅に残っている旧一おじちゃんの、誰も知らないエッセイを僕は、宝にしている。アタッシュケースのような黒い鞄に、そっとしまってある。
エッセイ風なロボットもの……
昔は想像もできなかっただろう、僕から見ても衝撃を受ける程に画期的だから。
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