第六二一回 集えて候、僕らの班。そこから飯盒炊飯に転じる。
――そう。ルーの話題で盛り上がる中、まるで藪からステックのように帰って来た。
御三家と言うべきなのか、――
「お帰りなさい。
お疲れでしょうけど、飯盒炊飯、僕らと一緒にしてくれるかな?」
労をねぎらう思いを瞳に浮かべ、僕も
それは、あくまで策や法……
でもね、僕らには懸命な善後策……
すると、梨花と翔さんは、顔を見合わせながら「逸貯やったるか」と意気投合。飯盒炊飯は、梨花が得意とするところ。そして多くは語らないけれど、翔さんも得意とする……らしいの。それは誰から聞いたかと言うと、可奈から。口外御法度でも情報通だから。
なので、察しの通りなの。
口外御法度の情報が、僕や天気ちゃんにも流出する原因。それは彼女が原因だから。
まあ、それはさておき、
「さあ、颯爽たるお米研ぎから開始だね、翔さんは本体にお水。中蓋にもお願いね、そこに研いだお米を入れるから。目安は……そうだね、大体ね」と、梨花の弾む声。
「ウム……大体とは、野生の勘か?」
「ちょっと違うかな、女の勘かも?」
「ま、まさかお前……コージ・キッカーのこと」
「や、やめてよ、僕のタイプとは真逆なんだから……って、それ以前に僕は百合だし」
「フ~ン、顔真っ赤にしといてか? それに何だかお前、不自然にテンション高いし」
そんな感じで、梨花と翔さんの会話の中で、飯盒炊飯は進んでゆくのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます