第六一四回 どうせなら今日はハロウィンだし、少人数制なら。
――試着した。試着室で試着したまま、その姿のままで。お顔は真っ赤なの。
「おい
と、いつものような凄みはなく、その姿は寧ろ、とってもお似合いにも思えるの。
「もう購入もしたし、僕らからの細やかなプレゼント。翔さんがとっても綺麗だから、ウフフ……素敵。お姉様って感じで。なんたって今日はハロウィン。僕もするの」
――これから僕のお家で、一緒に仮装パーティだよ。
と、それはアイコンタクトで、
お家には、かぼちゃのお菓子がある。
皆で食す。ここでは皆が仮装するの。翔さんが清楚あるお姉様なら、僕は白雪姫だ。そして天気ちゃんは、お天気予報のアナウンサー風。眼鏡も変えて丸形から四角へ。優等生も更に磨きをかけている。十二名に分かれていたクラスも、学芸会を機に輝ける合体。
今再びの二十四名に戻った。
その理由は、学芸会で見せた団結には代えられないから。
それは天気ちゃんの強き一念によるもの。……だからね、
「ありがと、天気ちゃん。素敵なクラスにしてくれて……」と、言ったらね、何かムスッとして……「それは私の台詞だよ、千佳ちゃん。あなたがお友達になってくれたから、私は頑張れたんだよ」……と。目に涙まで浮かべて、天気ちゃん……
「はいはい、そこまで。せっかくなんだし、楽しまなきゃだろ」
と、翔さんはニッコリ、天気ちゃんの涙を超える程の、大いなる笑顔を見せてくれた。
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