第六一三回 気付けば、もう十月も末。であるなら色々MIX。


 ――所謂合わせ技のような、同じ日に起こる出来事。それも三種類も。



 場所はショッピングモールから不動のままだけれど、僕と天気てんきちゃんの間にしょうさんも加わったことにより……お楽しみの幅は広がった。何故なら、矛先が変わったから。


 そしてまた、今日はハロウィン……


 いつからか、バレンタインのように有名になった海外から流れてきたイベント。仮装をメインとした、そのようなパーティー。これから繰り広げようかと思うけれども、


 今日はまた、選挙当日でもある……


 コロナ禍での選挙、各政党が勢いに乗る。昨日まで賑わう選挙カーと街頭演説。僕にはまだ選挙権はなくて、投票できるのもまだ、まだ先のお話。そこはまだ大人の世界で、僕はまだ子供……でも、このコロナ禍の生活の中で、僕らの学んだことは多いと思う。


 ウメチカの開始は、去年の二月……


 思えば、そこからコロナ禍は始まった。何の因果か、ともに歩んできたのだ。当時の予想とは異なる道程を歩んだウメチカ。しかしながら、それがウメチカの歩みだった。


 今なら、そう思えるの。


 流れる日々のニュースにより、僕は政治の動きを目の当たりにした。或いは右往左往とも解釈できるけれど……よく見てよく観察することが、自己啓発の一種ともなった。


 それはさておきで、今は試着室……


 そこで僕らが目の当たりにするのは、今現在この時に、この瞬間に見るものとは、


「何だよ、このヒラヒラ、

 お前ら、俺で遊んでんじゃねえ。特に千佳ちか、何ニヤついてるんだ?」


 と言うのが、第一声だ。僕が選んであげたお洋服。試着室で翔さんが着替えてみた。まあ、ご察しの通りというのか、お約束とでもいうのか、お嬢様系の衣装……普段は黄色のTシャツにジーンズの上と下……って、まるで某アニメの機動戦士の主人公みたいな服装から、清楚あるヒラヒラとしたドレスのような趣のワンピース。それも蟹股での登場。



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