第六〇三回 そして行動を共にする二人は。


 ――その二人とは、しょうさんとシャルロットさん。共同生活を行うことになった。



 編入試験に備えて、一緒にお勉強をする日々……


 その期間は、実に一週間。試験内容は三科目のみ。多分、僕らが三学期になったら受けるだろう高等部へ進学するための試験内容と同じと考えられる……と、可奈かなは言った。


 なので――


「って、お前ら、学芸会の練習はいいのか? 無理に俺に付き合うことは……」と、翔さんの颯爽たる文句。全くもって説得力もなく、敢え無く僕らもお邪魔した次第。


 そのメンツは僕、梨花りかも可奈もせつも混ざって太郎たろう君も一緒。それに天気てんきちゃんまで参加する始末。「これって塾じゃね?」と言いつつも、講師は早坂はやさか先生……と思われたのだけれど、瑞希みずき先生が代行していた。世間的には、新型ウイルスによる感染も収束のように思えるけれど、そこはやはり密を避けるために、オンラインとすることになった。



 シャルロットさんと翔さんがお勉強する中、


 僕らも其々のお家でお勉強をする。……そういえば、天気ちゃんも他所の高校を受けることなく高等部への進学を選んだの。だから、きっと大成功を収めるの。その模様は、天気ちゃんによって語られる。――記念すべき令和三年十月二十一日、二十二時に配信される予定。その日は天気ちゃんのお誕生日。……ん? まあ、何ということなの?


 天気ちゃんの十五歳のお誕生日と、翔さんの十六歳のお誕生日が同じ日なの。そしてこの日となるのだ。――天気の子と、新解釈の白雪姫。その第一回の配信。


 多くは語らないけれど、エッセイとして語られる。


 新解釈の白雪姫が、できる前から。そしてできる途上と、本番のことも併せて。全十一回から十四回くらいになる予定だそうだ。そして天気ちゃん視点で、僕のことが綴られるの。天気ちゃんから見て、僕はどの様な存在なのか。心ときめいている。


 学芸会は二十六日。その二日後なの。……編入試験を迎える当日とは。



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