第五九五回 その時、見えたの。真の意味。


 ――それは、新解釈の意味。



 僕は、本当の意味での白雪姫になれた。でも、ここからは、古今より語られる白雪姫と異なることは、ご了承ください。何でも天気てんきちゃんがウメチカ戦を(多分、第一回目と思われるけれど……)ご視聴して、その時の僕に合わせた解釈で執筆されたものだから……


 と、いうことは、

 その頃から執筆を始めてできた『ザ・脚本』ということなの?


 なら、僕と同じ覚悟だね。僕が『ウメチカ』で費やした青春と、天気ちゃんがこの『新解釈の白雪姫』で費やした青春。共感する程に重みがあるの。だからこそ決める覚悟。



 ……重い話になっちゃったけれど、


 これが今の現実なの。早坂はやさか先生の笑顔の裏には、重い背景があっての継続する学芸会の練習。同じ教室、同じ空間で二組と四組のメイトたちが合流する。皆が皆、其々の役割を担っている。……調査する中に於いて、可奈かなではなく梨花りかが、その分担を決めていた。


 そして聞こえる、皆の心の声……


 時折、梨花が鬼に見えることがある。……正直にいうなら納得なの。僕にも厳しい時があるから。皆の前でも愛の鞭が飛ぶ時がある程だ。ある意味、クラス委員長の風格だ。


 しかしながら、事実上のクラス委員長は可奈だけど。

 ……でも、梨花がとても頼もしく思える。それが言葉となって、表面化しちゃって、


「梨花、何だか梨花が梨花じゃないくらい頼もしく思えるんだけど……」


 と、学園での練習の厳しさに涙して、言っちゃったことだけれど、フッと梨花は笑顔になって、いつもの梨花に戻ったように、そう見えてそう思いながら……


「全然、頼もしくなんてないよ。本当は迫る本番が怖くて仕方がないの。……千佳ちか、ごめんね、千佳ばかりに当たってるみたいになっちゃって、今日も泣かしちゃったね……」


「ううん、それだけ梨花が本気だから。頼もしい梨花も大好きだからね」



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