第五九四回 足並みを揃え、クラスの挑戦。
――されど時待たぬ! その日は迫っているのだ刻一刻と。
……名前を出さなかった。
そう。きっと最後まで……
そして僕は歩く、夕陽の中を牛歩とまではいかない歩調で。橋の欄干、今日は少しだけ遠回りをした? ……ううん、ちょっと一人になりたかったから、ちょっとした散歩。
すると、そこにいた。
「
「うん。練習するよ、太郎君。……でないと、天気ちゃんが心配しちゃうから」
実はそうだったの。
毎日通っているとね、……言われちゃったの。「ちゃんとして、練習」と。天気ちゃんはそこまで回復しているの。僕を怒れる程にまで……「千佳ちゃんの様子を見にね、また学園にも通うから、くれぐれもサボらないでね」と、釘まで刺されて。でもそれは、状況を知ってだと思う。……今の早坂先生の状況を。だから今、教え子が立ち上がる時。
自発能動の戦いがそこにある。
きっと天気ちゃんは知っているのだ。その答えを。早坂先生が何を求めているのかを。
――多分、
僕らが創り上げるのだ。クラスの皆が協力し合える環境に。これこそが一番に難しいとされている内容。だけれども、いじめがなくなる環境へと……
それは多分、僕は経験したと思うの。
早坂先生はそこを見ていた。それは思い出してみて……ウメチカ戦の一幕を。僕の世界観が変わる過程が凝縮されていると、そう思うの。そこで天気ちゃんが僕に託したザ・脚本のその内容。それこそが新解釈といわれる部分。だから王子様は太郎君になったとも思われる。そして今、夕陽の中を歩みゆく、太郎君の背を見ながら川のほとりまで。
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