第五四九回 巡る季節と、巡り合いのお空と場所と。
――ザ・快晴! それが今の空模様。
燦々と照らす太陽は、午後二時の出発を飾っていた。向かうは『向こう岸』まで。
それが町名なの。僕らの住んでいる五番町とは、川を挟んで向かい合わせ。
なので川を渡る手段は、橋を渡ることだ。……ある意味、どちらもビッグサイス。川に架かる橋は車のすれ違いも、人も自転車も通る広さだから。川も『河』と成り得る。
その川の流れのように、僕らは歩く。
Tシャツは二十四時間テレビの洗い替えで、そのため、並んで歩く
リュックまでもお揃いの桃色。合わせたら、バンプラのレッドコメット風な色で飾られている。二人並んで同じ色なの。所謂ペアールックで、顔も髪型もフォルムまでも。
そして訪れる、
ここが模擬教習の場となるの。そこでふと……ハッとなる。今着ている服装は二十四時間テレビのTシャツと、ショートパンツというラフな格好だ。修学旅行の模擬教習なのだから、ここはやはり制服。学園のブレザー制服が正しきものだと、今気付いたのだ。
「――ご名答、
ようこそ我が家へ。でも大丈夫。私に合わせて二十四時間テレビのTシャツだから、問題なしよ。……なるほどね、二十四時間テレビのTシャツ。それがここでの制服かも」
うんうんと、一人で納得する摂。
颯爽とP……ポイントは高いようだ。するとそこにもう一人、……いたの。って、あらら、この人、今朝の……って、記憶の糸を出来る限り正確に巻き戻している、そんな時、
「あっ、この子も参加者なの。お名前はね、シャーロックスターシャ・ルイーズベルモット・エッフェルエンペラー・シャルル・ド・二十六世。やっと言えた。ええっと……」
って、その子は、
今朝のコンビニエンスストアーで、アルバイトしていた青い瞳の子だったの。
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