第五四二回 喩えるなら、ロボットアニメ。


 ――或いはそのように、突然浮かんだアイディアというのか、新作の兆しとも。



 前回のサブタイトルの合体より味を占めた。四季折々と名乗るスーパーロボット。戦争は反対だけれど、異星人との理解を深める宇宙の平和を求めるストーリーだから。


 何を持って理解を深めるのか?


 言葉が通じない中でも、音楽は国境を超えるように、宇宙共通なのかもしれない。そのために戦いは繰り広げられるのだけれど、そのスーパーロボットは普段はボート。それが列をなして敵を迎撃する。合体はまだ……だけど、可変はする。


 ボートから中間形態へ、そして全長六・二二メートルの、水飛沫を上げながら水上を走る人型ロボットへ。……掛け声は「といや!」と、とある戦隊ものを参考にした。



 何故だか、お勉強の最中だったの。


 その映像が脳内に流れたのは。太郎たろう君だって目の当たりに。


 ……でも、僕には書けないの。もしかしたら梨花りかだったら……お得意なスターリーなのかもしれない。けれども梨花も忙しい身。……クラブに勤しんでいるから、公太こうた君と一緒に。そしてまたアトリエでは、葉月はづきちゃんと怜央れお君が、私学展に出展する百号のキャンバスに描くアクリル絵に奮闘している。何やら新しいジャンルのようだ。


 だったら……


「梨花お姉に相談してみたら?」


「へ?」


「新作。書いてほしいんだろ? 梨花お姉に」


 唐突に、太郎君は言うのだ。


「何で? どうしてわかっちゃったの?」


千佳ちかの顔に、そう書いてあるから。初のロボットアニメ風のエッセイ。ナイスプロデュースだと思うぞ。梨花お姉にはピッタリの案だと思うぞ、千佳……」



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