第五三六回 僕らの行方は、潮騒のメモリーへ。
――海へ行こう! その御言葉がこの度のキーワード。
その中でも緊急事態宣言、外出自粛、アルファ株……などの現実に迫るワードが脳内をグルグル駆け回る中さえも、キャンピングカーは駆ける、四輪駆動の力をもって。
何が正しいのか……
何が間違っているのか……混沌する現実の中を駆ける。足も留めずに。自問自答する中でも切り開く者は、あくまで自分自身。きっと家族は、その集大成なの。
――御心は一つ。
パパの言う通り、この度のお家こそが駆けるキャンピングカー。雨脚超えたら、そのトンネルの向こうには眩く広がる世界と、井戸の中の蛙を越えた海の景色。……きっと現実の世界に於いて、濁った心の洗濯をしたかったのだと思われるの。
喩えるなら鏡。映らなくなっている部分も沢山……いっぱい。毎日更新するエッセイも……もしかしたら、リフレッシュしたウメチカが描けるのかもしれない。
それならきっと、皆も喜んでくれるよね?
皆を元気にしてあげたいから。……なら、パパありがと。その想い溢れるの。それから
人とは、接触もしないし……
休憩所に選ぶのは、パーキングエリアを兼ねた静かな公園。お昼を食す場所はお外ではなく、あくまでキャンピングカーの中。お母さんとママ特性の御握りは格別。梨花と一緒なら……お姉ちゃんと一緒なら尚最高なの。それから御祖母ちゃんとパパも。
家族の中だけの会食だから安心……
ちゃんと手洗い嗽も心掛けているの。目指すは潮風のメモリーに誘われる海。静かなる海こそが、パパとお母さんと御祖母ちゃんの、住んでいたお家の極めて近い場所。
そのお家は県を超えるから、……せめて海へ。海なら県境はなしと思えるから。
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