第五三一回 その締め括り、大団円につき。


 ――物語の終わりには、もっとも素敵なその場面。



 第二次ウメチカ戦は、これをもって終了するけれど、僕の物語はまだ……続くの。喩え第三回のウメチカ戦を迎えるとも。千のストーリーズを誓ったのなら、それは約束。


 大団円の理由は……

 やっぱり太郎たろう君にあったの。


 ――いじめの辛いフラッシュバックを乗り越えられたこと。


 僕の時もそうだったように、怜央君もまた、ウメチカ戦に参加したことによって、いうなれば太郎君と関わったことによって、そう、僕と同じように……きっと。ううん、僕よりも逞しいと思うよ、怜央れお君は男の子だから。



 怜央君は、僕に手を差し伸べる? 僕にも。


千佳ちか先輩、来年もまたウメチカ戦で、戦って下さい。太郎さんと一緒に」


 と、言うの。……そうだね、僕らは敗者。君たちは勝者で王者だね。なら、


「受けて立つよ、来年も。太郎君は君のこと優しくするかもしれないけれど、僕は加減しないよ。根底までにボコボコにしてあげるから覚悟することね」と、お見舞いした。


「そうでなくちゃね、千佳先輩は。

 来年は僕も、あなたに挑戦するから。覚悟することね、あなたも」


 と、啖呵とも思えるその言葉を発したのは、何と葉月はづきちゃん。……もう、来年のウメチカ戦の挑戦を受けて立つことに。であるなら、太郎君は?


 やっぱり僕は……


「そうだな千佳、受けて立たなきゃ先輩の名が廃るからな。……それから怜央、もっとお前は強くなれ。俺なんかよりも、もっと高い目標で立ち向かうんだ。そして葉月ちゃんのこと、お前がしっかり守るんだ。その上で来年、俺はお前に再戦を挑むからな」


 と、太郎君は怜央君に言い放った。怜央君は「はい!」と厳とし返事をした。

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