第五二二回 そういえばコンクールはピアノも。
――それは七月の末に行われるようだ。その場所もまた、ウメチカなの。
四連休を占めた第二次ウメチカ戦。それが終わったなら、華々しく開かれる予定になっているそうなのだ。……そう、
ウメチカ戦の二日目に。
お久しぶりな対決。それは次の試合だ……
と、思っていたのだけれど、まさかの逆転勝利? 瑞希先生たちはここ敗退した。その相手こそが車引きの
早くも対戦相手、しかももう、十分後に迫っていた。車夫さんは以前、模擬的に対戦しているから、大まかなスペックはわかるけれど、野口俊さんのスペックは知らず、そのままで、初の対決が待ち構えているという状況なの。
――そして、
稽古不足を幕は待たず、切って落とされたのだ。
この度は二対二のタッグ。……奏でるBGMはトランペットの調べ。舞台はパリのようだけれど、時代劇にも解釈できそうな風景だった。お空が赤く染まる。飛んできた鎖が首を絞める。屋根の上から表情も変えずに軽々と、僕のアバターを吊り上げる……
その鎖は杖から放たれたもの。仕込みの杖だ。それこそが作家の野口俊のスペック。明治の文豪をイメージしたアバターだ。首吊りの状態で屋根よりも高い位置で宙を舞い、そのまま地面に叩きつけられ……僕のアバターは動かなくなった。
そして太郎君の、ウルトラ・タロは、旋風と化した真空回し蹴りが直撃し……十五の部位に体が分解された。それは試合開始から、僅か五十五秒の出来事だった。
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