第五一〇回 マイ・レヴォリューション。


 ――状況を変えるには、まず自分から。だからこその自分革命。つまりはウメチカ革命を意味する、迫りくる第二次ウメチカ戦。フランス革命のように薔薇のイメージが薫る。



 僕と太郎たろう君の愛は、前回をも凌いでいる。ラブストーリーで締め括った前回。


 太郎君は語る。この度の第二次に隠されたテーマ性……


 それはその後の効果。一人の少女が戦った後に続くもの。その思いを継ぐ者が登場して広がりゆく前向きな生き様。……一人の少女のマイ・レヴォリューションは、第二第三へと革命を広げてゆく。皆が楽しく登校できる明日へ。


 そして、団欒な時を迎えられる家族も。新型ウイルスの早期なる収束も願いつつ。



 きっと僕は、エブリアニメのような柔らかな日常。


 そして、正義のヒーローにも憧れて、……今の状況を求めていたのかもしれない。手を取り合って太郎君と。同じお部屋への滞在。僕のお部屋からお隣のお部屋へ、ここは梨花りかのお部屋。三人が集って机に広がるパーツランナーの数々、色も豊富。少し前に見せてくれた旧キットよりもパーツ件数はもの凄くも。……確かに、これを当日に搬送しようも大変だと思う。せつと力を合わしても徹夜は必至。……だから、


「僕も、さっきの千佳ちかや太郎君のような、その……熱い恋がしてみたいなあ。

 あっ、別に嫉妬じゃないんだよ。羨ましかったから、その……色々とね、お話もね」


 と、梨花は目を逸らしながらも、言うのだけれどね、しどろもどろで……まあ、御気持は察するところだけれど、やっぱり目が合っちゃうと、恥ずかしく暫くはね。


「今は集中しよっ、……まだ日はあるから。第二次ウメチカ戦は、当初はね、十八日と十九日の二日間だったけれど、何でか延長に次ぐ延長なのか? 御国が定めた本来の休日が本年のカレンダーに反映されるのが間に合わなかったのか? 二十二日から二十五日の四連休で開催されるようになってたの。……実は今日、太郎君が教えてくれたの」


 プッと笑いを漏らす梨花。僕と太郎君は顔を見合わせ、胸を撫で下ろす心境となった。



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