第四八八回 それでも執筆なの!


 ――やはり僕は、執筆を優先している。悩むよりも先に。



 金曜日の夜は、体が横たわる。起き上がれない程のグロッキー。時には学園の、帰りの電車の中で乗り過ごすも、いつの間にか最寄りの駅(降りる駅)を通過している。


 一人の時はあるあるなのだけれど……


 周りに梨花りかたちがいたら、いつも起こしてくれる。



 そんなこんなで今日も、お部屋でPCを起動させるも、いつしか椅子から滑り落ちていて……目覚めるも深夜で、夜明けもまだ遠い時刻で。


 先日からのツイッターの件も、復旧の見込みも悩めるところだけれど、僕は気付けば執筆で、キーボードを弾いていた。毎日更新の挑戦は続くの。夜更けの執筆で、昇る朝日までには更新できていると思うの。……こだまする音はカタカタカタ。それでも静寂。


 夜を渡る……


 ふとバルコニーへと繋がるビッグなウインドウを見れば、夜を渡る星空。


 まるでネットの様に繋がる僕ら。喩えるなら同じ星空の、その下にいる。

 なら、可奈かな企画の『銀河通信』の復刻版?


 脳裏に浮かぶ可奈の顔。……可奈は今頃、天体観測の真っ最中。一足お先な天文部の部員となる。噂によるとね、気になる男子がいるようなの。……百合の可奈にも春が。梨花には内緒に……って、あくまで噂だ。嫉妬するなら梨花だけではなく、公太こうた君もまた然りだ。僕はもう、恵比寿えびす公太のことを正式に『公太君』と、そう呼んでいる。



 ――君も、いつしか僕らの仲間。


 もう認めていた。生意気な子だけれど、とっても可愛く思える弟のよう。芸術部で梨花と上手くいくか心配だったけれど、文句の言い合い口喧嘩もさながらだけれど、思いのほか息が合っているようにも思える。何となく姉と弟の、見た目そんな感じなの。



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