第四七四回 ……それでもまた、戦いは続く。
――勝負は着いたのだけれど、チャンプへの挑戦は終わらず始まったばかりなの。
切って落とされる幕。
思えば僕はチャンプ……チャンピオン。第一回・ウメチカ戦の。
それはそれは、今日の別れ際。姿を見せたもう一人、車夫さんとのコンビの御方。
――作家の
身長は見上げるように高いのが特徴。車夫さんよりも高く細身。長髪の四角い眼鏡。目もまた細く。……無表情な感じの人と思いきや、ふと優しそうな笑みを見せて、
「君が
だ、だからね……
「あ、ありがとうごさいます!」
と、声まで裏返っちゃって、握手まで求めちゃて。
「そんなに緊張しなくても、君とはまた……いいや、君たちとか。君たちチャンピオンに挑む、僕らは挑戦者だから、立場的には同じだから、宜しくね、千佳ちゃん」
と、優しく言ってくれた野口さん。
車夫さんも「この子すごいんだよ」と、野口さんに告げる。
ここはお家。僕のお家で玄関前……
本当に別れ際だったのだ、車夫さんとの。そこに偶々居合わせた野口さん。……二人のお家は、京の都とこの千里の町を繋ぐ場所。天王山にあった。神足の町に住んでいる。
……そうなのだ。この次のウメチカ戦で、また会おうと約束を交わしたの。
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