第四六九回 進路は、或いは航路に繋がる。


 ――それは大海原の大航海。その様なイメージを抱きながら、今宵も執筆する。



 場所は、書斎……と言いながらも、僕のお部屋だ。ゼロ系とドクターイエローのコラボがまた実現している。もちろん模型。自動運転にも近い模型が、その空気を飾る。


 新たな空気は、新たなる風を誘う。

 纏めてみるの。僕ら三人のことを。其々の持ち味と、其々の行く道を。



 まずは可奈かな。――高等部へ進学したなら、天文部に入る。可奈はお星様が好き。プラネタリウムは年に一度のお楽しみなの。そして今、芸術部を辞める理由が、天文部が部員の確保のため、中等部三年生を対象に募集していたからだそうだ。喉から手が出るようなその条件に颯爽と食いついた。今のところは、新入部員の対象が可奈だけだそうだ。


 そして可奈の大いなる夢。まだ発見されてないお星様を見付けること。そしてそのお星様に、お名前を命名するの。父も夢見た母も夢見た、お姉様も夢見た広大なる目標だ。



 続いて千佳ちか。――僕のことだ。今は休部という扱い。しかしながら、自分の進路を模索中で、℮スポーツの道を本格的に歩もうと心に決める。その傍らでは、エッセイも千のストーリーズを目指している。……そして、ついさっきなの。旧一もとかずおじちゃんとの約束を心に刻んだの。心の奥底に、使命たる道程が繋がったの。ハッキリと見えたから、僕の人生の航路。涙溢れる程の感動も一緒に。僕は、これからの子供たちのために童話を創作したい。或いは子供向けの物語を。つまりは作家への道を歩む決心を、自覚したのだ。


 たとえウメチカが終わっても、

 僕の執筆は終わらない。もしかしたら、永遠のテーマなのかもしれない。


 少しばかり重くも……

 少しばかりかな? でもね、心躍るの。喜びでいっぱいで仕方がないの。


 そして、スッキリする脳内。まずは太郎たろう君と共に、ウメチカ戦へと挑む。



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