第四六六回 ……まだ少し、執筆で悩むの。


 ――それは、本日のエッセイで。



 月曜日から、本日はもう木曜日。学園も休まずに本日まで登校できていた。……でもまだ、放課後の、クラブ活動は休ませてもらっている。帰りも、梨花りかたちよりも早く下校していた。そんな最中だ。僕は、とある噂を聞くこととなる。……誰から聞いたのか?


 しかしながら、僕の脳内では、

 そんなことは、どうでもよく、ただ聞いたことだけで、脳から溢れ出そうな感じだ。



 可奈かなが、芸術部を辞めると……


 そう瑞希みずき先生に告げたそうだ。梨花はそのことを、僕に黙っていた。


 白状したのだ。今宵……このエッセイを執筆する前に。だとしたら僕は、梨花を問い詰めたということになる。噂だけで、そこまで進展したのか? ……でも仕方がない。その通りだから。もちろん梨花にも言い分はある。可奈に口止めされていたから……


 その時期がきたら、

 可奈自身が話すって言っていたから、


 僕はただ、その時まで待ってあげることができなかっただけなのだ。近頃は、煽りを受ける程に世の中の流れが速いように思える。……でもそれは、僕だけかも? 実際はわからないけれど、以前のように空気だけの問題なら、さして問題ではないのだけれど……


 それでも変わらないのは、


 僕は今宵も執筆するということ。確実に、千のストーリーは進んでいる。なら僕は、前向きに進んでいるということなの。その視点から思うと、可奈も、


 ――夢に向かって進んでいると、そう思えるの。本来の、可奈のしたかったこと、そうであるなら、僕は応援してあげようと思う。それはきっと、天文部の世界へ。一歩踏み込んだのだと思える。それはまた可奈だけではない。僕も梨花も、それぞれの道があるのだと思う。それを自覚した時、きっと可奈と同じ境涯になるのだと、そう信じる。



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