第三八一回 ……そうかもしれない。
思えば思うほど……
それは、とても単純なことで……何故だか、ふとそう思えた。涙の中、冷たい涙は積もりそうな白雪。純白な世界。そうなるといい。だから、思いっ切り泣いた方がいいと、
――
泣き止むまで待っているから……と、そうも言った。
そして駆け付けてきた二人は「
僕が落ち着くのを見計らって病院に……
連れてゆくつもりだ。怜央君をお車で運ぶ。瑞希先生が旦那さんに頼んだそうなの。
それにしても……
「瑞希先生、今日はどうしたの?」と、僕が訊きたいことを
――白雪から小春へ。
冬は必ず春となるように、このお外の雪も、春の訪れを知らせる道しるべとなる。
それは普通にお名前。マスクが息苦しいのも。……なら、いじめられると悲しいとおもうことも。それがもし、お友達だとしても悲しいよね? 仲の良いお友達なら尚更。
それとも君は、自分じゃないからいいと思うの?
……痛くないし、辛くないし……でも、すっきりしない。
泣けるほど悲しいの。今の僕がそうだから。痛みと辛さがわかるから。……僕と同じように、怜央君も性的ないじめもされたようだ。わかってあげられないのは僕が女の子だから……男の子の痛みはわからないの。でも、死にたくなるほどの辛さだけはわかる。
だから、僕と同じように君にも……青春を堪能させてあげたい。
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