第三六四回 ――先走り。その埋め合わせの為、まず僕の名を。
「
という具合に、情報はなるべく具体的に事細かく……って、せっちゃんが言っていたものだから……あれれ? 何で?
「いいの? プライバシー。初対面なのに、そんな細かく教えちゃって?」
「あっ、あはは……そ、そうだね。でも、でもね、ほら、怪しくないから」
それによく考えたら……って、いや考えなくても、いきなり『
それでもってツッコまれまくり。僕の方がタジタジで、この子って見かけによらず意外と強者かも……と思っているとね、急に泣き出しちゃったの。グスグス……って。
通りすがりの人。その中でもお仕事で外回りの人や、白と黒、ピンク系やグレー系の多種多様のマスク。鼻出しマスクも様々……見られる、ヒソヒソと小声も飛び交う。
「え……まあ、とりあえず行こっ、ここじゃ何だし」
「う、うん……」
周りを気にしつつ……ううん、気にしないようにして、僕は都築君と『四駅』のホームから電車に乗る。さっきまで生意気と思っていた彼だけれど、泣いちゃうと……まあ、不謹慎だけれど可愛いの。そして『最寄りの駅』から……今日はバス。まだ少し、月一の女の子の痛みがあるから。でも、だいぶ軽くなっている。
もしかして彼のお陰?
そして彼の頬の腫れ……間違いなく誰かに殴られた跡。多分、体にも痣がありそう。慎重に観察する必要がありそうだ。……でも、どうやって? 取り敢えずは、僕のお家に連れて行く。策や法はもとよりないけれど……それでも、ほっておけないから。
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