第三五一回 それはビッグで、ナンバーワン。


 ――想像した。それ以前に脳内を駆け抜ける、一筋の光のようなビジョン。



 只者でないことは百も承知だけれど……


 正義のヒーロー的な、そのようなイメージで、とある戦隊のリーダーとか。

 或いはスクールカースト以上の、悪の首謀者? ……ううん、それはない。太郎たろう君と一緒にいて、それくらいわかるの。僕なんかよりも、正義感が溢れているから。


 ……でも、


「やっぱりわかんない。降参。教えて」


「う~む。ここは日々野ひびのさんの力を借りるか」……って、答えになってない。と思うも束の間で、すぐさま連れてきた。日々野さんを。梨花りかのお部屋から僕のお部屋まで……太郎君が。事の経緯いきさつは既に説明済みのようで、梨花や可奈かなにも了解済みだそうだ。



「えっと、千佳ちかちゃんだったね。フムフム……本当に梨花とソックリというか、私にはまだ見分けがつかないね。……あっ、あまりジロジロ見るなって。ごめんね、気に障ってたら。で、訊きたいことって何かな? もしかして、私と霧島きりしま君の関係かな?」


 ……ヒット。それに可奈に匹敵しそうなマシンガントーク。それでもって、


「アハハ、図星ね。お顔にそう書いてあるから」


 と、一方的に喋りまくる始末。でも当たっているだけに、何も言えず……


「心配ないよ。私と霧島君は、千佳ちゃんみたいに恋仲じゃないから。……う~ん、そうねえ、同志というのかな、こういうの。同じ道を志す者……例えばね、いじめで苦しみ子が出ないように、日々取り締まる役目を担った者の同志かな。生徒会の……」


「ジャッジメント!」

 と、やっと言葉……いやいや、単語が挿めた。


「ナイス・アンサーよ、千佳ちゃん。とあるアニメのように超能力は使えないけど、志は同じなの。……ある先生が教えてくれたのよ。私たちにもできるって」



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