第二五〇回 じゃあ、僕にできることは?


 ――それは、今日ここへ来た目的。様々な出来事はあったのだけれど、


 迎え入れてくれる。太郎たろう君も瑞希みずき先生も。……前の学校でのジャッジメント、僕が去った後の学校にはもう、スクールカーストという存在は消滅されているの。


 僕は、逃げただけ。


 でも、太郎君はね、千佳ちかが今元気ならばそれでいいと言うの。

 瑞希先生も同様に、千佳さんが今楽しめていたら、それはそれは最高と言うの。



 準備を進める。来たる八月二十四日の『ふるさと祭り』の準備着々と。


 その舞台となる芸術棟は、一階から三階までフルオープン。梨花りか可奈かなも僕らのもとへ駆け付け合流し、懐かしき顔ぶれともコラボ……共同作業だ。


 今年もコラボ、軽音部とも。……Drドラムス睦美むつみさん、Voヴォーカル奈々ななさん、Guギター八重やえさん、Baベース久徳きゅうとくさんの四人。芸術部という括りで、コンサートを開いてくれる運びとなった。



 当日のおもてなし。


 そして、笑顔溢れる大成功こそが、この度のジャッジメント。


 僕に課せられたジャッジメントと、

 ……そう、太郎君が笑顔で言うの。瑞希先生が指揮官のもと、僕らは動き回る。


 当日は平日で学園も、他の学校も平常通りの授業だけれども、

 来られるお客様たちの笑顔をイメージして、手は抜かないの。



 もう二度と、血が流れないように……学園に。


 ジャンルも、ほのぼの路線も崩れないように、祈るのワールド・ピース。ある意味このイベントこそ、僕らの文化祭。一年の集大成だ。


 これからもまた……


 綴られていくの、芸術部に集う僕らの青春が。



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