第三十七章 普通にホシノロマン。

第二二九回 それでも僕らは、エッセイを書き続けるよ。


 ――そう。僕は書き続けていたの。



 夜明けの刻、日の出眩い刻からエピソードを書いていた。この回の二二九回目の……


 すると、真っ赤に染まる画面。


 警告音が鳴り響くお部屋中に。表示される〇五〇……電話番号。


 それはPCの画面。目の当たりにする警告の文字。慄く慄く慄く……そして響く音は警報なのだから通報の類、警察沙汰の事件性に巻き込まれる感もありそうな……


 内容は……内容は内容は、ええっと、ウイルスに感染。

 落ち着いて電話だ。表示されている〇五〇……へ電話。



 ここは六畳のお部屋。僕のお部屋は移り変わったのだ。パパが……ティムパパが六畳のお部屋を僕に譲ってくれた。それには経緯があって……PCを買ってくれた。ノートではなく固定用のもの。例えるなら葉月はづきちゃんのPCと同じメーカーのものなの。それ用のデスクも購入。ホームセンターで、車で一緒に、父と娘との時間。そのデスクの組み立てからPCの設置まで一緒に……だからなの。これまでの四畳半のお部屋では狭いから、六畳のお部屋も込みで僕にプレゼントしてくれた。


 梨花りかがよくお泊りするのもあって、二人で仲良く使ってほしいとの思いだったの。



 買ったばかりだから。


 セキュリティが甘かったのか、ハッカーに個人情報を……と言っていたの、電話の相手が。男の人で、やや片言な日本語……ティムパパと同じくらい。韓国の人かな……と思っていた。思いながらも、しっかりと聞く。……聞こうとする。聞き取りにくいスマホ越しの声で、わかりにくい言葉。……でも、数分ほどで耳が慣れる。何とか理解はできるようになる。暑さも忘れて必死。もはやスマホ越しの指示通りしか動けなくなっている。


 PCのウイルスを直してくれるというのだけれど……僕は走る、言われた通りに。



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