第百七十五回 心のかたち。愛のかたち。


 ――大きさも。本当に、様々なかたちをしている。



 僕らのかたちも、また一例なのかもしれない。

 手を取り合って、ともに戦った太郎たろう君……ううん、もう僕のダーリンなの。


 この戦いが終わったなら……

 僕と太郎君の距離は、もっともっと近くなる。だから、だからね、



『最後まで油断しちゃ駄目!』


 と、僕の心の声、そのかたちを感じたのだろうか? 太郎君はソーシャルディスタンスを保った距離でありながらも、ハッとした様子。それが僕にも確かに認識できた。


 だからこその、最後の攻撃。


 ――攻撃こそが最大の防御と、回想シーン誘う……猛特訓の画面の前で泣いた日々、厳しくも、本当に温かい抱擁力のある太郎君の愛。僕は、僕はね、お友達の好きよりも、


 ……うまく言えないけれど、


『僕のダーリンは、太郎君なの!』


『よし千佳ちか、決めるぞ! これからもよろしくな!』


 え、えっ?

 ちょ、ちょっと、こんな時に?


 ビックリした。――宙を舞う機械の破片や部品の数々……ブロークンする新一しんいちパパのアバターの様子をリアルに再現した映像美。そんな最中に於いて僕らは取り合っていた手を一旦分散、この後に結ばれることを約束しつつ、次なる展開……いやいや、もっともっとスピーディーに迫って襲ってくるハンマーの数々。ラスボスは二人いる……いたのだ。


 新一パパの他に、もう一人……ティムパパが。


 それはその人は、僕のもう一人のパパ。弱点は接近戦……意外にも。もうゲージにも残り少ないHPヒットポイントだけれど、僕らは『肉を切らして骨を断つ』攻撃へと転じるのだ。



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