第百五十六回 現場入りの前には、やはり出陣!


 ――現場は、これよりの四連休で行われる『第一回℮スポーツ・ウメチカ戦』のイベント会場も兼ねる『ウメチカ』という場所……繁華街。つまり地下繁華街。



 アーバンという単語が似合いそうな情景。


 僕らが住んでいる場所は、やはりカントリーロードという単語がお似合いだ。この違いを、私の鉄道を走る電車に搭乗することによって、意図も簡単に埋め合わせる。


 ――そうであるなら、


 たった十一駅の走行区間に起きたファンタジー。



 そして、突然の現場入りも良かったのだけれど、


 やはりここは、僕ら家族の行進。……今再びの聖者の行進。いやいや、これからの激闘が控えているのだから、ここは、やはり、とある時代劇の出陣のテーマだ。シリーズを遡ると、その種類も様々だけれど、やはり、ここは定番中の定番で御馴染みの……


 選択の余地もなく、もうすでに脳内で曲は流れている。


 お母さんの影響というよりも、今やもう僕のマイブームと化している。そこで『僕ら家族の行進』と先程、謳ったけど……僕らファミリーでもまだ一部。全部ではない。



 ――そう。一部と全部の内の一部だ。


 この度、この場所を訪れた『僕ら家族』は、お母さんを筆頭に、僕と梨花りか可奈かな。そして僕のパパ……ティムさんは、これよりあるチームと合流し、そのメンバーとなる。つまり僕らとは敵になる。何でも、このイベントを企画したメンバーの一員で……実は、それこそがティムさんの本業なのだ。そしてその企画を立ち上げたのは……つまり、つまり僕と梨花のパパ……何と新一しんいちさんなのだ。このチームこそ、ラスボス的な存在なのだ。


 そして僕らには、もう最強の力が加わっている。


 その名はウルトラ・タロ。――まだ内緒だけど、僕の最強にして最高のダーリン。

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