第百五十四回 ……で、さらにその日は、
――もちろん二月二十二日のお話。
……あっ、でも正確に言うと、二月二十二日のゾロ目企画の前日で、……そう。その日だった。僕は一人っ子ではなく双子のお姉ちゃんがいたことを知った。
そして……そのお姉ちゃんが、
その事実を受け止めるにあたり、梨花の心の動揺は、僕なんかよりも遥かに大きかったと思う。……なぜなら、正直な所だけど、僕はホッとしていた。このことは内緒……きっと生涯にわたって僕の胸に収めると思う。梨花には生涯にわたり内緒。――梨花が僕とソックリな理由がわかり納得。それ以上に僕は、この運命の出会いを……ううん、もとい再会を信じたかったのだ。この頃は、前向きになれるきっかけが欲しかったのだ。
そして二十二日。
梨花は、この運命を受け入れた。……同日、その日が
――本当に、夢みたいで。
さらに今日は七月二十二日のウエンズデーで、明日……明日から。四十八時間あったのが、もう十二時間を切っている。その頃はもう、僕は電車の中。仲間と一緒に。そしてそしてファミリーも一緒に。な、何とですね、僕のパパ……ティムさんも密かに参加していたのだ、ウメチカ戦。第一回にも拘らずに、この度この戦いに挑む挑戦者たちは、優勝候補だと慄いているほどの腕前だそうだ。
でも僕は退かない、退かない。
そう。……そうだね、太郎君が一緒だから。僕と太郎君二人の……愛の結晶をもって奏でる必殺の『二人のハーモニー・高速回転キック』をかますのだから。
それは下弦の月のような十字キーの動きをもって、XYZの同時押しと、心重ねる僕と太郎君の阿吽の呼吸。それが決め手になるの……と、このことをエッセイに……と思いつつも、PCに向かう姿勢からパタリ……で、あはっ、頭の中が気持ちいいほど真っ白。
――これもまた、夢の中への誘いで。……お目目を静かに閉じるの。
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