第七十七回 とある朝、風と戯れて。


 ――僕は走る。


 緑の薫りを堪能する五月、もう下旬に入る。その中を……


 流れるカントリーロード、その風景とマッチしながら、脳内で歌われるエブリの『カントリーロード』――僕は口遊むほど大好き! もちろんアニメも、エブリ全般。


 今は、所謂ジョギング!


 黄色Tシャツ、その裾から覗く水色の短パン……というスタイル。汗ばむけれども爽やかなる汗、気持ち良いほどスポーティーで綺麗なもの。――本当につい最近なのだ。朝の空気がこんなにも清々しく思えたのは。もしも、もしもだよ、全国規模で囁かれる解除の二文字……そのため、これまで続いた休校も解かれて、その渦中に於いてもね、


 ――この爽やかな朝は、変わりなくありたい。


 これからは本格的に、土日を利用し℮スポーツで、数々の強豪を相手に戦いが繰り広げられることとなる。精神と肉体の鍛錬の中にあっても、僕は楽しくありたいの。


 だから、……だからね、


 学校のある日は早朝に、でも時間の関係上、距離は短くなるけれど続けたい。雨にも負けず風にも負けずの精神をもって。そしてね、お家に帰ると朝シャン! 下着に至るまで汗で濡れたもの全部を脱いでレッツ浴室……朝シャンなだけにシャンプーを使用、ミント風なスッキリ爽やか仕様なもの。一糸まとわぬ素肌には石鹸の薫りをほんのりと……


 浴室を出ると、


 バスタオルで身を包むよりも、それ以上にソフトな風……まるで妖精な気分。もっと風を感じたくてね……浴室から、気付けばそこは玄関近くでね――ガチャっと。


 えっ、ええっ! あ、あの、これより先、ここから先はね、


「お、おま……何してるの、裸で?」


「た、太郎たろう君? な、何で?」……という具合な展開に。もちろん悲鳴はつきもの。近所といえば可奈かな、すぐ駆け付けて『ボカッ!』という効果音が、その場面の字幕に出そうな感じで……あのね、太郎君をぶん殴った。――そして続く。もちろん次回へ。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る