第十五章 お待ちかねの次のステージへ!
第七十六回 思いの外、賑やかな本日のデートの締め括り。
――えっ?
前回からのタイムリーな続き、接触していた唇は離れ、ササッと辺りを見渡すと、
……ほらほら! やっぱりだ。
此処は『最寄りの駅』という名の駅の付近……にある『たこ焼き本舗』から離れて、とある児童公園のど真ん中。
可奈と言えば、その傍ら、
きっと
その陰から、……その陰からなの、梨花の声。
「楽しかったようだね、千佳」
「梨花……どうして?」――ここにいるの? と、言いたかった。姿を現した、やっぱり可奈の傍らにいる。可奈と梨花……二人は百合。今の僕と太郎君のような関係。違いといえば……女の子同士なだけね。もう親友の域を超え、恋仲にまで発展を遂げている。
その部分からも、梨花は……
あっ、今はそうではなくて、こうだから……
「千佳の帰りが遅いので、心配してたんでしょ」
と、梨花ではなく可奈が答えた。でも、その割には笑顔、いえいえ、どちらかと言ったらニンマリの類……うん、間違いなくそうだ。なら、そうならば、
「キスの最中を覗いてて?」
「う、う~ん、それはね」と、さっきの勢いは何処へやら、可奈は答えに躓く。
「まあ、楽しかったんだから……ねっ、太郎君」と、梨花が太郎君へ振ったら、
「まあ、まあな」と、照れているのがもろわかりで、太郎君が梨花へ返事した。
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