第五十九回 そして僕は、梨花の言葉を噛み締めて。


 ――そっと、ありがとうと……今日もまたエッセイを綴る。


 もう涙とは「さようなら」だ。黄色のNPCノートパソコンを起動させて、現場ではなく℮スポーツ訓練所&書斎で……まあ、四畳半の僕の部屋で、静かな夜に乗じて執筆を行っている。



 その前に僕は、シャワーでもう身を清めた。


 そのことからだろうか? 僕のこの度のエピソードに対してのコメントの中に『外出の自粛に乗じて、水を用いて街をシャワーのように洗浄』……しちゃうとか。


 僕のイメージだと霧状の液体……除菌スプレーみたいな。それを自衛隊の協力を頂いた上で、ヘリコプターや訓練飛行機などから散布する……と、そんな感じだったけど、


 ――貴重なコメント。


 この拙いエッセイを、毎回応援してくれる人だ。……なるほど、と思える。水の方が安全だし、それでもウイルス除去の目的は果たせるのだ。


 その感謝の思いを込めてエッセイに託す。少人数でも、少しでも『書くと読む』の人々に伝われば、本当なら国を治めている人々に届けと……中学生の分際で烏滸がましいかもしれないけれど、『国を挙げて取り組んでほしい』と思える内容だ。――是非とも!



 お話は変わるけど、


 梨花りかとプラモデルを作るの、楽しかった。可奈かながいてくれて、もっと楽しかった。


 一人よりも二人、二人よりも三人……それでもボリュームのあるパーツの数々……ほんと巨大なプラモデルだ。『NEONGネオング』という名前でメガサイズ。仕上がると「八百ミリから一メートルくらいになるんじゃないかな」と、梨花は言っていた。


 中身が空洞のイメージを覆し、内部のメカまで再現されていて……コクピットも、そこに搭乗する三倍速と噂されるキャラも、しっかりパーツ化されていた。


 その余韻に浸る最中、……一通のメール? サーッと血の気が引くのを感じる、その画面に表示されている内容……脳の中で凍り付いていた僕の過去が、解凍されるのだ。



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