第四十回 そして梨花が、やって来る。
――この次の、君に使命を伝えようと思うため、
お母さんを通じて、僕はスマホで君をこの場へ呼んだ。……君の名は、
お母さんはね、僕と一緒に君がお腹の中にいる頃から、
――僕と君の名を決めていた。……そう、君のパパと一緒に。そして君のパパは、僕の血縁のパパ。僕と君は、もう生を受けた時から、深い縁で結ばれている。
僕はね、後悔なんかしてないよ。
辛いこと沢山あったけど、それ以上に、君と出会えたこと……
それも何か変かな? 僕と君は元々が同じ日に生まれた姉妹で、双子だから。
僕は自分の部屋……四畳半の部屋で、
黄色の
その状況下で、
ボロアパートの頃にはなかった、未だ聞きなれないインターホンの調べ。ワンテンポ遅れるが僕もお母さんも、ともに玄関へ。我先にとドアを開けると、そこにはね、
――ピンクのカーディガン、
同じくそれに偶然合ったのか合わしたのか、午前の光を受けてエンジェルリング輝く黒くてボブがまあまあ長くなった髪に飾られているリボン。白いワンピースが靡く午前の程よい風。……僕と同じ『ボクッ娘』でありながら、僕よりも女っぽくなった梨花がいた。
「おはようございます」
と、君は言うけれど、
「違うよ、『ただいま』だよ」と、僕は言うのだ。――そして「おかえりなさい」とも。
そして、その後のお話だ……
お母さんは『書くと読む』の『二〇二〇年の夏物語』というコンテストに向けて執筆したいと、NPC&PS4・5が輝く四畳半の部屋の中で、僕と梨花を前にして宣言した。
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