第二十回 リュックの謎が明らかに! それだけではなく千佳の胸の内も。
――マジマジと見る
いつもは黄色のリュック、登下校に使用している。それとは異なるリュック。
前々回、可奈が言っていた通りにビッグスケール。色は迷彩……梨花と可奈によって荷物チェックされる。やっぱり恥ずかしい。……替えの下着も、その中に入っている。
「パジャマも迷彩色なのね、
と、可奈は声にする。
僕のNPCは黄色。メーカーは『ラノベ』ならぬ『ラノボ』
型式はPの三十八。梨花のNPCを意識した内容で……色以外は同じものだ。
「千佳、もしかして……」
と、梨花まで僕の顔をマジマジと見る。
だから、このタイミングで、
「急でごめん。でも、お泊りしたいの今日だけ。お願い、梨花」
手を合わせる僕、必死のおねだり。……そういえば、僕の、いや、僕たちの登録している小説サイトの『書くと読む』も四周年記念ということで、そちらの方でもアンケートのお答えして、おねだりする。要望などを……今夜、梨花と一緒に考えようと思う。
――期間は三月の末。
あっ……と、その末に、梨花に手を合わせた末に、
「いいよ。
……あっ、でも、パパとママに言わなきゃ」
実は、それを狙っていた。……あの『ひなまつり』以来、東の都へ単身赴任をしていた梨花のパパは帰ってきている。……だからなの。梨花のパパは、僕の本当のパパ……僕の本当のお父さん。……だからって、別にどうこうする気はない。ただ、ただね、
――同じ屋根の下での、お泊り。ただ、それだけなの。
梨花と……僕のお姉ちゃんと、一晩だけ……そう、梨花の妹として。
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