第十八回 二人で聖者の行進? 向かうは梨花のお家。
――と、サブタイトルにもあるように、途中で
聖なる行進。
いやいや『聖者の行進』……と、僕は勝手に名付けた。二人で横に並んだ。
実は、実のところ、
可奈のお家を訪ねても良かったのだけど、……嫌がるの、可奈が。突然のインターホーンは御法度、必ずSNSや、完全予約制な程に事前連絡は必須項目。……この間の梨花の件(第九回参照)以外は百%それだ。例外はまだ、一回しか存在していない。
可奈のお部屋は、星をモチーフとした素敵なものなのに……
可奈のお部屋は、僕は大好きなのに……何故だろう? 理由は未だ迷宮のままだ。
そのことも、もしかしたら
可奈はきっと、
本当に自分のすべてを曝け出せるような、身も心も……例えるなら、自分のヌードを見せてもいいような相手でないと、教えてくれ……あれ? じゃあ、夏休みに行った温泉の説明がつかなくなる。……早くも矛盾。じゃあ、キスできる相手なのかな? で、その先は……と、いけないラインの入り口に、僕の想像が辿り着きそうになった時、
「千佳、なあに? そのリュック。別にキャンプするわけじゃないんだから」
「へっ?」
というよりも、「ギクッ」と、心の音が目立ったような気がする。そして一連の流れなのか、僕の顔を覗き込む可奈……その果てには、
「どうしたの? 顔真っ赤にして」と、わざわざ言葉にしなくても、そんなのわかっている。思考回路がショートする思い……恥ずかしくて、その問いには答えられずだ。
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