第十五回 ありがとう!
――今宵、明るい月のように、冷めない余韻。
シンデレラの時刻までは僅か。
三月三日も、もう今回のエッセイを更新したらエンディングを迎える。
四角い窓を眺めて夜の慕情……先刻までの『ひなまつり』の、まるで『仮面のつかない舞踏会』のような、ビッグなパーティーの模様が脳内に蘇る、鮮やかに。
会場は、
お伽話に出てきそうな豪邸だ。……令子先生の氏名は
まあ、少しばかりミステリーな部分があった方が良いと思い、
令子先生のプロフィールは段々に……ということで、開かれた『ひなまつり』模様へ移ると、やっぱり
大きな
「ママ、十三年間、育ててくれてありがと」って言ったのだ。……ママは、彼女の育ての親。子供を欲しがっていた彼女の母親……梨花の溢れる涙の、その先には、
「……いいのよ、あなたの帰る場所へ……それが本来の、あなたのいるべき場所なのだから、本当にありがとう。わたしの娘でいてくれて……それから、ごめんね、長い間……」
泣き崩れる梨花のママ……
これからは、僕の姉として……一緒に、
……と、思っていたのだけど、梨花は、――「これからも一緒だよ、僕のママは、ママなんだよ。僕は『星野梨花』……これからも、これからも、あなたの娘なんだよ」
……今はもう窓の向こうのお話、カタカタとPC。僕は、また涙を零していた。
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