第十二回 まっしぐら!
――三月のイベントに向かう。もう明日明後日……時間の問題だ。
その日は平日。
その模様をエッセイでお伝えしたいのだけど、何せ初めてのことだから、何をどうして良いのかわからない。……僕は生まれてこの方、経験したことがないのだ。
――ひな祭りを。
それは、前回の『夜と朝の間』で、思いついたこと……なのだけど、
という状況なのだ。
何をどう段取りし、どう用意して良いのか、それもわからぬまま彷徨う。
町を彷徨う、
「ヘイ!
と、出会った頃とは随分と柔らかくなった日本語。それに……陽気にもなって、顔を上げると綻ぶ。梨花も同じようだ。そこにはパパの笑顔があった。
僕がパパと呼ぶのは、ティム・
僕の新しいパパだ。……そして僕が『お父さん』と呼ぶのは、
お仕事で……東の都で単身赴任をしているそうだ。
だからなのかな? パパは、そのことを知っていたようで、
「二人とも、今からパパと一緒に買いに行こう『ひな祭りセット』……三月三日、みんなで梨花チャンのパパを、元気いっぱい笑顔で迎えてあげよう!」
と、言ったのだ。――もちろん「OK!」だよ、僕も梨花も。
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