第二回 それは、母親の話から。
……このエッセイのタグ『ほのぼの』とは、かけ離れていた頃。
まだ僕が、
この頃は、まだ姓が『
それはお母さんの旧姓、……お母さんはシングルマザー。僕はお父さんという存在、パパという存在を知らず育ってきた。この先も、ずっとそう思っていたのだ。
――この頃は、
学校に行ってない。正確には、……怖くて行けなくなった。
中学生となりすぐ、原因はいじめ。小学四年生からいじめられっ子だったけど、もう考えられないくらいの内容にまで発展。……女の子には辛くて、性的なことまでされた。
夢に出てきて、
忘れることもできずに……そんな中に於いて、迎える第十三回の誕生日。――時に令和元年七月六日のこと。第一印象は何も変わらず、……最も悪い状況と化す。
お母さんの様子は、――僕のような子供が知ってはいけない宵の御仕事。生活のため収入を得るためにアルバイト掛け持ち、日に三種。働きづめ、昼夜を問わず。
親子の時間は、朝の僅か。
それさえも……もう疲れたんだね。
テーブルの上には一升瓶が転がり、できる限りのストレス軽減を図るため、夜の御仕事のお供となる煙草……灰皿はてんこ盛りの吸殻にまで至る。目に輝きはない。
目の当たりにする現状に、……ほんと、ごめんね。と、
その思いに溢れんばかり、……そうだったけれど、それでも、お母さんは、
「毎日毎日、目障りなんだよ、そのしみったれた面。あんたなんか生まなきゃよかったんだ! どんなによかったか……ハッ、ごめん、どうかしてる……ちょっと、ちょっとだけ外へ出てくれないかな? わたしを一人にしてくれないかな?」――そう、僕に言う。
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