新章たるウメチカ!

大創 淳

第一章 『ウメチカ』とは?

第一回 それは、身の上話から。


 ……悩んだけれど、やっぱり語る方が良いと思った。


 それはパパのこと。

 僕の、パパのこと。……或いは、または僕とパパとの出会いも含めて。



 まずは自己紹介だね、「あれれ、この子知ってる」って思ってくれる人、または「この子って、あのエッセイを書いてた子とよく似た子で、確か名前が……」と、覚えてくれている人がいてくれたら――とっても嬉しいの! 感謝感激だよ!



 ……僕の名前は『千佳ちか

 あのエッセイを書いていた子と同じで、一人称は『僕』


 つまり僕もまた『ボクッ娘』だ。……僕もまたエッセイを書く、新章たるエッセイを書く。でも、あのエッセイ……もうややこしいのでタイトル出しちゃうけど、『りかのじかん』の新章ではなく続編でもない。


 なぜなら僕は、『りかのじかん』を書いた『りか』ではなくて、

 本名でいうなら『星野ほしの梨花りか』でもない。僕は梨花にはなれない。


 だから、それらの意味でも、これから綴るエッセイは、僕自身の新章だ。



 令和元年のXマス。


 ステンドガラス煌めく聖なる地により、シングルマザーを長年に渡り勤めてきた、僕のお母さん、星野千尋ちひろ(四十八歳)に「お疲れ様だったね」と、心より囁き深々と……その中に於き、キム・ウメダさん(この日が誕生日で三十歳)……正確にはティム・梅田うめださんを、新しいパパに迎えたのだ。……でも本当は、本当はね、


『ティムさんに、

 パパ以上の何かを求めそうな、そんな気がするの』


 ……ううん、やっぱり何でもないね。僕にとって初めてのパパだから。



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