参之話『最強の姫と足りないもの』

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あの事件から数日が経った。

世間ではまだ尾を引いているようで、連日ニュースで取り上げられている。

『怨恨か、内紛か、はたまた抗争か。暴力団壊滅の実態に迫る!』

『生存者ゼロ。中には喫茶店のオーナーの死体も。因果関係や如何に。』

『観衆は見た!奇声を上げビルの壁を登る黒い影、その正体とは!』

『今週の街角情報、可愛いウェイトレスさんがいる喫茶店ベスト5。』

どの新聞も、見出しはだいたいこんな感じだ。

……なんか変なのが混じってるけど。

……というか、ビルの壁を登る黒い影は、どう考えてもゲンジだな。奇声って…

等と思いながら、珍しく新聞など読んでみる。

「お姫様~、お茶が入りましたよ~。」

と、テーブルに紅茶の入ったカップを置いてくれたのは、ファルアだ。

「うむ、有難う。やっぱり手慣れた者がやると、変わるものだな。」

あれから、ファルアはうちの…ジルエット家のメイドになった。

正確にはゲンジと同じで、私付きの…だけど。

『私、オーナーが死んでしまいましたので、表も裏も無職さんなのです。どこかにいい働き口ないですかねぇ~。』

あの一件があった翌日、うちを訪ねてきた彼女は、平然と私にそんなことを言い出した。

早い話が、うちで…ジルエット家でメイドとして雇えと言うのだ。

例の親父がいなくなって、喫茶店も閉店してしまったらしい。

仕事だったからと言って、刃を向けた相手にそんな話を持ち出すのはどうなのだろう。

とはいえ、別に拒否する理由もないので、父様にかけあってみた。

『炊事洗濯お掃除から、諜報暗殺まで幅広く取り扱っております。ファルア・ミスナージと申します~。』

……こんな自己紹介、有りなのか。

と、最初はちょっと心配だった。

でも、これが意外に印象強く残ったみたいだ。どうやら冗談だと思われているらしい。

父様は渋るかと思っていたが、思っていたよりすんなり承諾がとれて、今では晴れて私のお供だ。

……間違っても、ファルアが若くてスタイルも良いから採用した…などという理由であってほしくない。

……ちなみに、その時隣にいた母様も同じことを思っていたと思う。女の勘だが。

そういえば、うちのメイドになってもファルアは喫茶店の制服だ。

曰く、「お屋敷で配給されるメイド服はきついんですよ~。どことは言いませんけれど~。」という事らしい。

そんな訳で、特注の服が届くまで…という事で、この処置である。

……ちなみに、その一言が気に入らなかった家付きのメイド達からケチがついたみたいだけど、刃物で脅して黙らせたなんて噂もあるが、敢えて詳しくは語るまい。

ファルアの特技は、何と言っても手先が器用なことだ。

リンゴを切っている手先の、何と鮮やかなことか。

それに、お茶もゲンジがやるより格段に美味しい。

…と言ったら、ゲンジに泣かれた。

とまぁ、ファルアのおかげで充実したティータイムを送れそうだ。

もちろんゲンジも一緒に…な。



「私に足りないもの、それは『必殺技』だ!」

ティータイムが終わって、少ししてから。

お付きの二人の前で、私はそう言ってやった。

二人とも、唐突に何を言い出すのだろうかという顔をしている。

「必殺技…ですかぁ~。」

「姫…武術とはそういうものでは無いと思いますじゃ…」

これは、あれから私がずっと考えていたことだ。

私には何が足りないのか。あの時、私の代わりにゲンジが戦っていたら、どうだったのか。

戦っていた時間が、ファルアの戦闘スタイルに合わない日中だったらどうだったのか。

考えて、考えて、考えに考え抜いた結果、そこに行きついた。

「あぁ、必殺技っ!なんと甘美な響きかっ!」

そう、必殺技だ。

私のカッコいい必殺技でファルアの攻撃をすり抜け、反撃できたならっ!

私はあの寒空の中に宙を舞うことは無かったのだ!

そう、二人の前で熱弁してやった。

いかに必殺技というものが偉大であるかっ!

「お姫様も、やっぱり年相応の子なんですねぇ~。確かに、悪役を倒すヒーローに、必殺技は欠かせませんものねぇ~。」

「ファルア、分かってくれるか!」

だんだんヒートアップしてきた!

今なら、いい必殺技が出てくるかもしれない!

「ゲンジ、そこに立て!」

「ひぃ!姫、それだけは本気で勘弁ですじゃ!」

「うるさい!私の必殺技開発に貢献できるのだから、うだうだ言うな!行くぞ!」

思い切り力を込めて、ゲンジの腹に一撃をくれてやる。

…一瞬、壁のようなものを殴ったような感触がした。

ゲンジの体は、私の攻撃で後ろへ下がったが、特にダメージを受けたような感じはしない。

「奥義、障壁功……あ、危なかったですじゃ…」

「こらゲンジ!誰が防御していいと言った!というか、お前ばかり必殺技があってずるい!」

『無影空拳』の極意は気功を操ることだと言っていた。

この防御も、きっと気を腹に集めてやったのだろう。

「では、操気術だけならお教え致します!ですからワシを実験台にするのはご勘弁ですじゃ!」

顔では怒っておきながら、内心しめたと思った。

ゲンジの技を全て知っているわけではないが、この操気術が軸になっているものがほとんどだろう。

そうなれば、あとは技を盗むのなんて簡単だろう。

さぁ、どんな厳しい修行でも、私の天才的センスで軽く終わらせてやろう!



…と、あの時の私は思っていた。あの頃は、私も若かったのだ。ほんの数日だけど。

毎度のことながら、世の中そんなに甘くない。

この一言をゲンジから奪った私に、ゲンジは渋々ながらも操気術を教えてくれることとなった。

ゲンジはいとも簡単に操気術をやってのけるが、私にはその片鱗すら掴めなかった。

「気を操るというのは、至極繊細な作業ですじゃ。まずは体で動くのではなく、体に流れる力を意識することから始めなければなりませぬ。」

ということで、まず私は座禅を組まされた。

呼吸を整え、意識を集中すれば、体を巡る気の流れが分かるのだそうだ。

いつもは頭で考えるより先に体が動くが、こればかりはそうもいかないらしい。

実戦だけで気の流れを操れるようになるのは、どこぞの超人のように天性の才能がなければ無理なのだという。

普段なら、もう既に諦めてゲンジを締め上げている頃だろう。

私がこれだけ必死になるのは、やはりファルアの時に死にかけたのが大きいと思う。

私がもっと強ければ、あんな思いをすることは無かったのだ。

「姫、雑念が入っておりますじゃ。それでは操気術を扱うことは出来ませんぞ。」

…ゲンジに見抜かれていた。こんな時ばかりは鋭い。

何としても、この技術を私のものにしてやる!



……

………修行を初めて、かれこれ3週間になろうとしていた。

私は相変わらず操気術の鍛錬をしている。

本当に、私にしては珍しく頑張っている方だと思う。

あの座禅で、集中すれば気の流れを感じるところまでは行った。…と思う。

だが、それを集めて形にすることができない。

例えば、気を右手に集めよう!と思っても、上手くいかない。

全て、体を巡る流れに飲まれてしまうのだ。

少なくとも、ゲンジのように敵に叩きつけるには、手のひらに気を集める必要がある。

「この鍛錬を始めて、姫の気は少しずつ強くなっておりますじゃ。そこから先は、姫の感覚で掴んで頂くしかありませぬ。」

私がここから先に進まないのは、どうやら上手くイメージ出来ていないから…らしい。

イメージと言われても、なかなかしっくりこない。

右手に力を溜めるような感覚で集中しているのだが、一向に集まる気配がない。

何かが違うのだろうか。例えば、力を溜めるのではなく…手のひらに球体を作ってみるとか?

そう思い、手のひらに球体があるような感覚で集中する。

これが当たりだったのかもしれない。

それは少しずつだが、形になり始めていた。

「姫!その調子ですじゃ!」

ゲンジにも見えているのだろう。やはりこれが正解か。

さて、これをどう使おう。某波○拳やか○は○波のように撃ち出してやろうか。

それとも某北○神拳のように、秘孔をついて相手を破裂させてやろうか。

やっと私もここまで来た。夢も広がるというものだ。

…だが、やはり最初だし、私のスタイルに合わせて使うべきだろう。

「ゲンジ、もう一度だ!今度は防御するなよ!」

若干不意打ち気味にゲンジを振り返り、殴る体勢に入る。

右手には充分すぎるほど力が集まっている。心なしか、拳が輝いているようにも見える。

ゲンジは……やっぱり、とても驚いている。

この一撃の威力は、どれ程のものなのか。とても興味深い。

「姫っ!そんなに力を溜めて放つと危険ですじゃ!」

ゲンジが何か言っているが、気にしない。

それよりも、私はこの一撃にかける!

必殺技にかける私の情熱!轟け、私の想いと共にっ!

「いっけぇーっ!」

ありったけの力を込めて、ゲンジに拳を放つ。

……ゲンジに防御するなと言っておいたが、今度は回避された。なんて身のこなしだろう。

私の一撃は屋敷の塀に命中する。

……まさか、塀が粉々に砕け散るとは、誰が想像したであろうか。

私の体であれば、一度に軽く4~5人は並んで通れると思えるくらい、大きな穴が開いた。

塀の向こう側では、通行人が何事かとこちらを見ていた。

この爆音に、一帯が騒然となった。

ものの数分もしないうちに、父様も、母様も、屋敷のメイド達もここに集まってきた。

……この惨状を、どう説明しろというのか。

まぁ、ありのまま話すしかないか……



あれから結局、皆にはゲンジに教えてもらった技で私が塀を粉砕したと、正直に話した。

やはりというか、全員が半信半疑だ。

人一人の力で塀を破壊するなど、出来るはずがないと。

結局信用はされていなかったようだが、その分怒られずに済んだ。

『操気術の修行はこれでお終いですじゃ。あとは姫の鍛錬次第で、色々応用して下され。』

一通り話が済んでから、ゲンジにそう言われた。

……でも、「あの一撃をワシに食らわそうとするのは、本気で勘弁ですじゃ」と、また泣かれた。

こうしてゲンジとの鍛錬が終わり、今度はファルアと鍛錬をしている。

ファルアの技なら、ゲンジのと違って何かを粉砕することは無いから安心だ。

「私の技と言われましても…あの時もちょっとだけ言いましたが、正攻法で戦うなら、私なんてお姫様やゲンジさんの足元にも及ばないんですよ~。」

と、相変わらずのろい声で言うが、やっぱりファルアには敵わないと思う。

現に今も、『ファルアの服に付いているバッジを取る』という修行をしている。

バッジは7つ、時間内に私がいくつ取れるかを試しているが、一つも取れない。

この前と違って今は明るいし、ファルアが攻めてこないから、私が一方的に有利な条件だ。

そんな中、あの声で喋るだけの余裕があるのだから、やはり凄い。

右肩のバッジを取ると見せかけて胸元のバッジを…と見せかけ、スカートの端のバッジを狙う。

思いつく限りのフェイントを仕掛けても、全て先読みされて避けられてしまう。

「1時間過ぎましたですじゃ。やはりファルア殿は素晴らしい身のこなしですな。」

そうこうしているうちに、ゲンジが終了の合図をした。

「いえいえ~。私も子供のころからやっていたことですからねぇ。体に染みついているだけですよぉ。」

「むー!私は悔しいぞ!ゲンジ、敵討ちだ!」

「へ!?ワシですか!?」

正直、二人の戦いを一度見てみたいと思っていた。

と言っても、さすがに本気でやりあわれても困るので、私の訓練形式でやってもらうことにする。

ゲンジにも適当な場所にバッジをつけ、ファルアと対峙させる。

「…申し訳ないが、姫の手本もあります故、少々本気を出させてもらいますじゃ。」

「私も、一度ゲンジさんと競ってみたいと思っていましたので…私も本気でやらせてもらいますね。」

二人の間に、何とも形容しがたいオーラが滲み出ている…ような気がする。

……何だか、私まで緊張してきたではないか!

ドキドキしながらタイマーをセットして、二人に合図する。

「行くぞ、よーい……スタート!」

タイマーのスイッチを入れた瞬間、二人の攻防が始まった。

まずはファルアがゲンジの左脇腹のバッジを狙う。

しかしゲンジがそれを躱すと、今度はゲンジがファルアの右肩を狙う。

それを躱してファルアが……早すぎて分からなくなってきた。

こんな感じで超高速のやり取りが続いていたが、先に一つ目を奪ったのはゲンジだった。

取った場所は、どうやらファルアの背中につけておいたバッジのようだ。

「さすがですね~。私も久しぶりに燃えてきました。」

体勢を立て直したファルアが、千手の如き勢いで迫る。

ゲンジも応戦するが、左脇腹・右肩・腹と3つもバッジを失った。

しかし、その代わりにファルアの左肩とスカートのバッジを奪っていた。

これでは負けると、ゲンジが一旦距離をとった。

「やはり、素早さではファルア殿には敵いませぬ。ですが、ワシも男。諦めるわけには!」

足に気を込めて、ゲンジは物凄い勢いで駆けだした。

…もう、今の私には『気功』が見えているんだなぁ、と感じた。

特攻を仕掛けてゲンジが狙ったのは、ファルアの胸元のバッジだ。

ファルアも狙いに気づいたのか、胸元を守る。ゲンジの手はファルアの腕を掴んでいた。

「私の胸を狙ってくるなんて…ゲンジさんてば『野獣さん』だったんですねぇ。そんな男の人、私は嫌いじゃないですよ。」

ゲンジの目を見ながら、ファルアは色っぽくそう言った。

その一言にゲンジは戦意を削がれ、また距離を取る。

「姫っ!今のは反則、レッドカードですじゃ!真剣勝負に色仕掛けとは…!」

相当恥ずかしかったのか、ゲンジが抗議する。

…今のやり取りの間に、左肩と腰の右側についていたバッジはファルアに奪われていた。

「申し訳ありません~。でも、やっぱりゲンジさんには正攻法では勝てませんので…」

「…もう許しはしませぬ。ワシも一つ、奥義を使わせて頂きますじゃ!」

言って、右手に気を溜めるゲンジ。

「奥義、三連指弾!」

右手の人差し指、中指、薬指を弾くと、気の弾丸がファルア目掛けて飛び出した。

それは私には見えているが、きっとファルアには見えていないだろう。これも修行の成果だ。

弾丸は正確に右肩と胸元のバッジを弾き落とした。

残念ながら、腰の左側を狙った弾丸は外したようだ。

……まぁ、これも有りでいいか。

……っというか、やっぱりゲンジばかり必殺技があってずるい!

「これでファルア殿の色仕掛けも使えますまい!お互い残り2つ、勝負ですじゃ!」

その言葉を合図に、二人とも動き出す。

残ったバッジは、ゲンジが左肘と背中、ファルアが右手首と腰の左側。

しかし、一瞬の交差の間に、ゲンジの左肘とファルアの右手首は相討ちになっていたようだ。

「残るはファルア殿の腰!さぁ、いざ勝……負?」

最後の攻防を前に、ゲンジがとあることに気付く。

「……ファルア殿。最後の一つが腰に残っていたと思うのじゃが…」

「やはり、ゲンジさんは色仕掛けが弱点だと思いまして…こちらへ。」

といって、ファルアが見せたのは、まさかのスカートの裏地。

そこにバッジが輝いているのが見えた。

「申し訳ありませんが、これが私のスタイルなんです~。もう一度野獣のように襲い掛かって、バッジと一緒に私の心も奪っちゃって下さいねぇ。」

「……姫の教育に悪影響を及ぼすような挑発は、止めて頂きたいですじゃ…」

……ゲンジは色仕掛けに弱い、と。メモしておこう。

場所が場所だけに、ゲンジはどう攻めようかと考えているみたいだ。

スカートの内側では、さっきみたいに撃ち落とすこともできないだろう。

「さぁ、これでお終いです。背中のバッジ、頂いちゃいますねぇ。」

これで決めてしまおうと、ファルアが走る。

「…姫の前で無様な姿は晒せませぬじゃ。ファルア殿、恨まないで下され!」

腹を決めたか、ゲンジも走りだして……2歩目で盛大に転んだ。

いつのまにかゲンジの足元には、縄で作られた小さな罠が張ってあった。

…さすが、ファルアもずるい。

「ゲンジさんも、危険予測が足りませんよぉ~。足元注意です。ではでは~。」

もはや想定済みだったのか、転んだゲンジの背中にゆっくり手を伸ばす。

「隙あり…ですじゃ!」

まさに格好の位置だった。

ファルアの最後のバッジは、スカートの裏地。

転んで地面に這っている体勢だからこそ、ゲンジからは狙いやすい。

ゲンジは足に気を込め、低い体勢から強引に前に飛び出し、スカートの中のバッジを取った。

「姫っ!ワシは…ワシはやりましたぞーっ!」

ファルアの色仕掛けに負けそうになりながらも、最後はゲンジが取った。

「うむ。ゲンジの勝ちだ!」

「あらら~。あとちょっとでしたのに、残念です~。」

ファルアも、非常に惜しいところまできていただけに、残念そうだ。

ただ一つ、気になることがある。

いつからいたのか分からないが、屋敷のメイドがこちらを見ている。

結果を見て、何か小声でヒソヒソと内緒話をしているようだ。

「…何か、嫌な予感が致しますじゃ。」

「それは…メイドのスカートの中に手を入れて大喜びしていたら……」

「ピンポイントでそこだけ見ていたら、確かにゲンジは変態に見えるな。」

こちらで話していることが聞こえたのか、メイド達は一目散に屋敷内に戻っていった。

……この予想、あながち間違いではなさそうだ。

「ちょっ…いくら何でも、この仕打ちはあんまりですじゃー!」

明日には、屋敷中に『ゲンジは変態』だと広まるだろう。

試合に勝って、勝負に負けたとはこのことなのだろうな…と思った。

「そう言えばお姫様。私たちの戦いは何か参考になりましたか~?」

「…しまった!あまりにも凄すぎて、ただ見ているしか出来なかった!ゲンジ、もう一回だ!」

「姫ぇ!もう勘弁ですじゃ!」

…また泣かれてしまった。まぁ頑張ってくれたことだし、いじめるのはこの辺にしておこう。

「でも、ゲンジさん本当にカッコよかったですよぉ。私、ゲンジさんに惚れちゃいそうです~。」

「…もう充分です。申し訳ありませぬが、一足先にワシは戻りますじゃ……」

泣き顔のまま、ゲンジは屋敷の中に入ってしまった。

「ん~。私もちょっとイジワルしすぎちゃいましたかねぇ。でも、カッコいいと思ったのは本当ですよ。」

いずれ、私の魅力でトリコにしてあげますね、とファルア。

…屋敷の生活も、まだまだ楽しくなりそうだ。

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