下層の住人はそれでも日々を淡々と精一杯生きていく……

 二階がないというちょっと不思議な世界の物語。

 つまり一階(地表)と三階以上(上空)には目に見えない二階という壁で分断されているようです。
 ただ、梯子をかければいけないこともないような感じ。

 そんな世界で淡々と生活し、ときには立ち止まりながら、けれど生きるために前を向いて進む主人公の物語。

 物語全体が短めの文章で構成されており、特段山場もなく進むのですが、そこがまた日常の無味乾燥感を醸し出していて、なかなかいい味になっているような気がします。

 三階以上の住人がどんな生活してるのかも読んでみたい気がしますねぇ~。
 どうやって生活必需品とか手に入れているのか……もしや三階以上はSF的オーバーテクノロジーが????

 そんな感じで色々と想像できるところも面白い物語でした。