当流四季源氏
増田朋美
当流四季源氏
当流四季源氏
藤島美樹は落ち込んでいた。
今回、開催するはずだった、お琴教室の発表会のチケットが、予想以上に売れないためだ。理由は自分でもよくわからない。いずれにしても、このままでは、ホールの使用料金も払えなくなってしまう。
勿論、生徒たちの家族や、その親族、その身内などに、お願いはしている。でも、生徒たちに、チケットノルマを与えても、達成できないものがほとんどで、みんなチケットが売れない売れないと、愚痴をこぼしてくるのだった。
「美樹先生。」
ある日、自宅にあるお箏教室で、お稽古をしていると、生徒の一人がこういうことを言い出した。
「このままじゃ、発表会も開催できません。もう、取りやめにしたらどうですか。発表会なんて、内内でやればそれでいいでしょう。お客さんを呼んで、どうのこうのなんて、そんな面倒なことはやめにしませんか。」
すると、この発言を待っていたかのように、別の生徒もこういうことを言い出したのであった。
「そうですよ。第一、こんな発表会、プログラムに問題があるんじゃありませんか。松竹梅、御山獅子、八重衣、みんな長くって、弾く側にも聞く側にも疲れる曲ばかりですよ。先生、こんなみんなが知らない曲ばかり。そうじゃなくて、テレビアニメのテーマとか、そういうモノをやったらどうですか?」
美樹は、そんな事はしたくなかった。そういうことをやるのなら、お箏自体のために書かれた、古典箏曲のほうがよほどよかった。勿論、最近はポピュラーソングを弾く団体が多くなっているが、その中でも美樹は、うちの社中だけは、シッカリ伝統的なものをやっていきたいと思っていたのだ。
それは、自身の師匠でもある、家元の花村義久先生の方針でもあった。花村先生は、ほかの社中が、古典箏曲をどんどん捨てていく中、古典を保持し続けている事で有名だった。古典は、日本が誇る最高の芸術だと花村先生が言っていたのを覚えている。
だから、自分も、古典箏曲の保持者でいたかった。それを、お弟子さんたちに伝えていくのが、自分の役目だと思っていた。その自分に習いに来るのだから、どのお弟子さんも、みんな古典が好きなんだ、そう信じていた。でも、今のお弟子さんの言葉を聞くと、そうは思っていないみたいだ。
美樹はちょっとショックだった。
「先生、あたしたち、あたしたちなりに社中の事を思ってそういっているんです。去年の発表会に比べて、売り上げは半分も届いていません。それなのに、やり方を変えないで、古典にこだわり続けているのは、ちょっと、おかしいと思います。ここはですね、先生、やり方を変えましょう。急遽、あたし達で、ポピュラーソングをやりましょう。すぐに、あたし、楽譜を手配してきます。インターネットでやれば、二三日で楽譜は届きます。ディズニーの主題歌とか、テレビアニメガンダムの主題歌でもいいじゃないですか。何か、そういうモノをやらないと、うちの社中は、潰れてしまいますよ。」
お弟子さんは、美樹にそういうことを言った。
「この藤の会のためです。藤の会を存続させるために、先生、古典箏曲にこだわるのは、もう止めにしませんか!」
ところが、そういうことを言われれば言われるほど、美樹はむきになってしまうのであった。なぜかそういうことを言われれば言われるほど、美樹は古典箏曲のほうがよっぽどいいじゃないか、と思ってしまうのだった。
「いいえ、だめよ。あたしたちは、古典をやっていく社中なの。八重衣とか、御山獅子も、いずれやらなくなっていくわ。そうならないために、古典をやっていきたいのよ。」
「そうですけど、先生、そうするのは、もう遅すぎるんですよ。そんな古典の大曲をやって喜ばれるのは、家元の先生だけですよ。あたし達みたいな、地方の小さな社中では、とても古典では持たないんですよ。だから、古典はやめて、ポピュラーソングにしましょうよ。そのほうがよほどいいんじゃありませんか!」
と、お弟子さんたちはそういうのだったが、美樹は、どうしても素直にお弟子さんの気持ちのとおりにできないのだった。お弟子さんたちは、なんとしてでも、そういうことをやりたいようだが、美樹は、そういうことをいわれると、自分の生きがいにしてきたことが、本当にバカにされているようで、腹が立ってしまうのである。
「先生!あたし、インターネットで楽譜を、」
と言いかけたお弟子さんに、
「うるさい!そんなことは、やめなさい!うちの社中は、ほかの社中とは違うのよ!うちはうちで、古典をやっていきます!古典をやる人がどんどん減っている以上、やり続けます!」
と、美樹は、そういってしまった。
「じゃあ、先生。」
別のお弟子さんが、一寸、いたずらっぽく言った。
「先生は、お客さんを集める方法があるというんですか?古典箏曲で、お客さんの気を引くことができるような。だって、ちゃんと現実を見てくださいよ。古典箏曲を、真剣に聞いているお客さんなんて、何人いると思いますか?みんな、寝ているか、誰かとしゃべっているでしょう。そんな中で演奏している、私たちの身にもなってくださいよ!」
この一言は、ほかのお弟子さんからも、拍手が上がった。という事はつまり、古典箏曲を聞いてくれるお客さんは、ほんの一握りしかいない、という事か。
「でも、そのほんの少しのお客さんのためにも、私たちはやるのよ。」
美樹が言うと、別のお弟子さんが続ける。
「それに、古典箏曲なんて、みんな似たような内容ばかりじゃないですか。大体の曲が、日本の四季を歌うか、失恋歌とかそういうのばっかりでしょう。そんな歌ばかり聞かされたってね、お客さんはがっかりしますよ。もっと、お客さんが楽しめる内容の歌を使う事も、私たちの務めじゃないかしら。それに、四季の歌だってね、ほとんど、今の時代には合わない内容ばっかりで、これでは退屈するばかりですよ!」
「先生、それでも古典箏曲にこだわるというのなら。」
それまで黙っていた、三人目のお弟子さんが言った。
「先生、周りの人をびっくりさせられるような、古典箏曲があるんですか!」
美樹は、そういわれて一瞬たじろいだが、答えを出さないわけにはいかなかった。何か、ほかの人たちがびっくりするような、とんでもない曲を出さなければ。そんなものはないというのが正しい答えなのだが、でもあると答えなければならない。美樹は、家元の先生から習っていたころ、許可なく人前で演奏してはいけないと言われていた曲をやるしかない。
「あるわよ。」
と、美樹は答えた。
「其れはどんな曲ですか。」
と、すぐにお弟子さんたちは、口を合わせる。
「ええ、山田流でずっと演奏されたことのない秘曲と言われる曲でね。家元の許可がなければ、人前で弾いてはいけないという。」
「はあ、それを、美樹先生は、やってもいいといわれたんですか。」
そういわれて美樹の顔が宙を泳いだ。確かに、習わせてもらったことはあったのだが、演奏の許可をもらったわけではない。ただ、楽譜をもらったことがあるというだけだ。それなのに、美樹は、むきになって、こういったのであった。
「ええ、言われたわ。私は、成績優秀なので、弾いてもいいって。」
と、美樹は言う。お弟子さんたちの表情が、一寸変わってきた。
「じゃあ、その曲のタイトルは何ですか?」
お弟子さんたちの一人が聞くと、
「当流四季源氏!」
と、美樹は答えた。そして、急いで立ち上がり、机の引き出しからその楽譜を取り出す。古臭い雰囲気丸だしの楽譜である。
「これよ!」
確かに、表紙には、山田流秘曲とある。なので、相当うまい人でないと弾いてはいけない曲なのだろう。
「これを、お客さんの前でやりましょう。そうしたら、お客さんたちだって、見直してくれるでしょう。私たちは、秘曲を演奏することを許されたすごい社中だって、考え直してくれるでしょ!」
まあ、確かにそうだ。秘曲と言えば、すごい人でなければできないという事は、一般的な人であれば、誰でも知っていることであるからだ。
美樹は、お弟子さんたちに、楽譜を渡して、その中身を確認させた。音楽ジャンルとしては、師範試験の課題曲に採用される組歌の一つであり、調弦は雁金調子、長い前奏を経て、一番から、四番迄を歌い、間奏を弾いて、五番を歌って終わるという、ちょっと変わった形式の歌である。内容は、タイトルの通り、日本の四季を歌った、古典箏曲として典型的なものであった。
「まあ、内容は、パッとしないけれど、でも、これを弾けば面白びっくりになるという事は確かですね。わかりましたよ先生。やってみましょうか。」
と、リーダー的なお弟子さんがそういったため、ほかのお弟子さんたちも、同意することにした。
その日から、美樹はお弟子さんたちと一緒に、当流四季源氏の練習を始めた。組歌というジャンルは、技巧的に難しいという訳では無いのだが、とにかく歌が難しいのだった。急に高音へ飛んだりとか、裏打ちのリズムだったりとか、そういう事が普通に見られるのだった。特に、リズムの指導に美樹は苦労したが、お弟子さんたちは、なんとか当流四季源氏を歌えるようになってくれた。
そして、本番当日。
ポスターやチラシに、ほかの社中がやったことのない秘曲を演奏する、という宣伝文句をつけたためか、前回の発表会よりも、少しお客さんは多く集まった。とりあえず第一部は、松竹梅、御山獅子、花の雲など、ありふれた古典箏曲を演奏する。一部で帰ってしまうお客さんも見られたが、八割くらいのお客さんは、残ってくれた。さて、ここからは本領発揮だ!と美樹は気合を入れる。
「皆様、長らくお待たせいたしました。ただいまより、山田流箏曲の秘曲であります、当流四季源氏を演奏いたします。」
アナウンサーがそういうことを言うと、美樹はお弟子さんたちを引き連れて、舞台に出た。このときは、大きな舞台だから、客席に誰が座っているのかなんて、わかるはずもなかった。用意されたお箏の前に座って、みんなに合図をし、さ、行くわよ!と言わんばかりに、当流四季源氏の演奏を開始する。
「風に散る、紅葉は軽し、春の色を、岩根の松に
かけてみましや、とにかくに、忘れぬ花の面影。」
続いて二番を演奏する。
「人目なく、人目なく、あれたる宿は橘の、
花こそ軒の端となりけれ、昔を偲ぶ、ホトトギス。」
続いて三番。
「自ずから、自ずから、春まつ園はわが宿の
紅葉を風の伝手にだに見よ、ませに寄せし色々。」
続いて四番。
「氷とじ、氷とじ、岩間の水は行きやらで
空澄む月の影ぞ流るる、影こそ流れ流るれ。」
吟の調べと呼ばれている間奏を演奏し、そして最後の五番。
「飽かざりし、花も紅葉も忘られて、眺め明石の
雪の曙、深き契りは、朽ちせぬ縁なるべし。」
これで当流四季源氏は終わるのであった。最後の音を弾き終えると、美樹は初めてお客さんの方を見た。お客さんは、大拍手で、美樹たちの演奏を聞いてくれたようだ。美樹は心の中で、やったと思った。私の目論見は、成功したんだ!これで、うちの社中も人が呼べるようになったか!
当流四季源氏を演奏して、発表会はお開きになった。お客さんたちは、みんな満足したような顔をして帰っていく。美樹は、お客さんを、ホールの入り口で見送って、是非来年も来てくれと、にこやかに笑って言いながら、彼らを見てある意味ほっとしていた。
と、不意に係の人と何かしゃべりながら、二人の男性がホールから出てきた。一人は、麻の葉柄の黒大島の着物を着ている。着物で来てくれるのはうれしいが、黒大島で来るのはちょっと、嫌だなという気がした。そしてもう一人の、黒の紋付羽織袴を身に着けた、白髪交じりの男性客は、どこかで見たことのある客だった。美樹は、その顔を見て、全身がヒヤッと冷たくなった。家元だ!家元の花村義久先生ではないか!彼がやってくるという事は、何も知らされていなかったし、客席に座っているのも、何も気が付かなかったのであるが、確かにそこに居るのは、家元の花村義久先生で間違いなかった。どうして、ここで発表会を開催するのを知ったのだろうか。
一緒に見送っていたお弟子さんたちの顔を見たが、誰も、花村を呼んだようなそぶりをする、お弟子さんはいなかった。まあ、家元の名前は口にしたことがあるが、どんな顔をしているかは、知らせたことがないので、弟子の誰かが呼んだという事は、あり得ない話であるが。
「今日はどうもありがとうございました。また来年も演奏を聞きに来てください。」
弟子の一人が、車いすの男性に話しかけた。彼は、おう、とやくざの親分みたいな感じの口調で、
「ああ、いい演奏聞かせてもらってありがとうな。また、聞かせてもらうからよ。これからも期待しているからな。」
といった。そうすると、その隣にいた、花村先生が、
「ぜひ、来年も期待していますと、主宰者に言っておいてくださいませ。杉ちゃん、やくざの親分みたいなしゃべり方はやめましょうね。」
といった。そのあとで、なぜ当流四季源氏を演奏したんだ、無断で演奏するなんて持ってのほかだ、と、お叱りの言葉が出てくるのではないか、と、美樹はぞっとした。ああ、あの大成功は、この花村さんの出現で、水の泡に終わるのか。でも、一緒に居る杉ちゃんと呼ばれた、あのおかしな人は、いったい何者なんだろう。花村先生が、お弟子さんとして、入門させたのだろうか?え?まさか自分より、立場の弱い人を?普通、家元が、お弟子さんをとる場合、こういう事情がある人を、自ら教えることは少なく、誰か弟子の誰かに任せるのが、通例なのだが、、、家元も、それを、解禁したのだろうか。
「主宰の先生なら、こっちにおります。ちょっとお話してみたいですか?」
弟子のひとりが、そういって、美樹の方を見た。
「先生、こちらの方が、先生と、お話したがっていますが。」
美樹が嫌な顔をするよりも早く、お弟子さんは、花村と杉ちゃんを連れてきてしまった。美樹は全身が凍り付く。わあ、これから、花村先生のお叱りが始まるんだ!こんなお客さんが大勢いる場所ではなくて、もっと他のところにしなければ!と、美樹はとりあえず思う。
「こんにちは。」
美樹は、花村先生に声をかける。初めは、何食わぬ顔をしているようにしなければならない。
「ええ、どうもよろしくです。」
と、花村先生はいった。
「先生、一寸こっちへ来ていただけますか。」
美樹は、急いで、花村先生を、ホールの入り口から少し離れたロビーへ通した。よし、僕も行くぞ、と、例の杉ちゃんが付いてくるのが、気にくわなかったが、そんな事を考えている余裕もなかったはずである。
とりあえず、美樹は、ロビーの椅子に花村先生を座らせた。
「先生、本日はどうも、私どもの発表会に来ていただけまして、、、。」
美樹は、まず、形式的な挨拶を交わす。
「どうして私たちの発表会をお知りになったんですか?」
「ええ、私が、この文化センターの案内票を読んで知りました。電話番号を見て、あなたの会とわかりました。」
とにこやかに答える花村先生。確かに、発表会のお知らせを文化センターの案内票にも掲載していた。それに、今回は、ポスターも以前より多くの場所に貼った。なので花村先生にも知られてしまったのだろう。
「花村先生、今回は、本当にすみません。先生の許可なく、あの曲を演奏してしまった事は、申し訳ないと思っております。このようなことはもう決していたしませんから、どうか今回はお許しくださいませ!」
もう、お叱りを受けることは覚悟を決めて、美樹は、花村先生に頭を下げて謝罪した。もしかしたら、破門という事も十分あり得ることだった。美樹は、もうそれを言われるのは確実だと思って、頭をあげることはどうしてもできなかった。
「あの、どうか頭をあげてください。」
と、声が聞こえるが、美樹は、もう、この次にくる言葉は、もうこの一門から出て言ってくれという言葉であることは分かっていたので、それは別の人物の言葉だと勝手に解釈してしまった。
「おい、お前さん。頭をあげてくれと言っているんだがね。」
先ほどのやくざの親分みたいな、杉ちゃんの声がした。美樹は思わず、周りを見渡してしまう。
「おい、こっちを見てくれよ。誰も、お前さんの事を悪く言っちゃいないよ。大丈夫だから、こっちを見て。」
そういわれても、美樹は次にくる言葉は予測できていたというか、もう破門だという事を言われるんだと決めつけて、頭をあげることができなかった。
「日本語、通じてないのかな。それとも、僕の口調がそんなにおかしいんか。頭を下げないでほしいのだけど、わかんないのだろうか。」
杉ちゃんはそういうことを言っているが、美樹は自分に向かってそういっているのかも忘れて、ひたすらに、ごめんなさい、ごめんなさいと頭を下げ続けるのであった。
「其れとも、耳が、遠いのかな。おい、聞こえるのかよ!」
杉ちゃんは、一寸語勢を強くして言っている。美樹は余計に自分が破門されるといわれるのが怖くて、縮こまってしまう。
「なあ、僕がしゃべっているの、そんなにおかしいかな。どうしてもこの人に、通じないんだよ。どうしたら、いいんだろう、花村さん。」
と、杉ちゃんは、花村さんの方を目くばせした。。
「いや、私もわかりませんよ。別に私は、この人を咎める気は何もないですけどね。どうして、それをわかってもらえないのでしょうか。」
と、花村さんはそういうことを言った。
「咎める気は、ない?」
美樹はその言葉にびっくりして、思わず声を上げる。だって、私が、悪いのは重々わかっているのに。それを咎める気はないってどういう事だろうか。
「だ、だっ、だって、私は、先生の許可が必要な曲を、許可なく無断で演奏してしまいました。本当にすみません!」
美樹はもう我慢できなくなって、急いでそういうことを言ってしまった。もう、こういう事なら、本当の事を言ってしまおう。それなら、私が先に恥を描けばいい。周りのお客さんだって、そういうことは、よくある事として、見逃してくれるはずだ!美樹はそんな気持ちに変わっていた。
「いいえ、確かに私も、あの曲がああして大体的に取り上げられていて、びっくりしてしまいましたけれども。」
と、花村さんは言った。
「確かに、ルール違反であることは認めます。」
やっぱりそうか。それでは、もう結果はわかっているので、聞きたくないところだったが、
「でも、当流四季源氏は、結構な出来だったので、感心してしまいましたよ。」
美樹は、花村先生にそういわれて、全身の力が抜けた。
「まあ確かに、やっちゃったことは悪いことかも知れないけどさ。」
と、杉ちゃんが言っている。それなら、やっぱり私は、花村先生の一門から、外されてしまうんだろうな、と、美樹は思った。
「ちょっと、許してやったらどうだ?」
杉ちゃんが、花村さんに言った。花村さんは、ちょっとため息をついて、
「ええ、わかりましたよ。あなたには、そのまま、一門に居てもらいますから。」
と、言った。美樹は、お礼をいう事も、お詫びをすることも忘れて、呆然とその場に立っていた。
「その代わり。」
と、花村さんは、にこやかに笑った。
「あなたには、これからも、当流四季源氏を演奏してもらいますから。それだけは忘れないでくださいませよ。」
当流四季源氏 増田朋美 @masubuchi4996
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