Le cercle famiglia

小桜あゐ

Le cercle famiglia

 

Le cercle famiglia 《ル サークル ファミーリア》


【声劇用台本】

所要時間:約60分

男女比:4:1

(子供役に不問1を追加しても構いません)


                                 

【登場人物】

*ニック・フォンターナ*

 →主役の男。5歳の時に両親を無くしジェラルドに拾われた。

  ジェラルドの右腕として働いている。


*アレックス・マリアーニ*

 →ニックの部下。天蓋孤独に生きてきたところをニックに拾われ、

  ジェラルドファミリーの一員となった。


*ジェラルド*

 →2代マフィア組織の一角を成すジェラルドファミリーのボス。

 幼いニックを兄弟のように育てた。


*ロランド*

 →2代マフィア組織の一角を成すロランドファミリーのボス。

  

*母×N(ナレーション)*


*ニック(子)*

→ニック・フォンターナの子供時代(5歳)

セリフが少ないので兼役をオススメします

が増やしても大丈夫です。



※本作中には「★」と書かれたところが数か所あります。

SEとして入れるとより臨場感が出て盛り上がるかと思います。

もちろん指定として入れているわけではないので入れなくても結構です。

SEもなくても大丈夫です。


※途中ニック(子供)と出てきますがここはニックの方がやっても別の方がやっても大丈夫です。



【利用規約】

※ストーリーが崩れない程度のアドリブは許可しています。


※台本の再配布、自作発言禁止。

著作権は放棄しておりません。


※ 投げ銭等の金銭が発生する可能性がないときに限り生配信や動画投稿で事前の許可は不要です。ですが、連絡貰えると聞きに行けるかもしれないので連絡貰えると嬉しいです。


※本編は共同制作です。

連絡・質問等はTwitterの

まこ▶︎@nana59186748

Darth Vader▶︎@darthvader1981

小桜あゐ▶︎@nahc_ih

のどなたかにお願い致します。




コピー用⬇️


Le cercle famiglia

作:まこ、Darth Vader、小桜あゐ

ニック:

アレックス:

ジェラルド:

ロランド:

母/N:




ここから台本↓

✎︎____________



N「人口数百万の大都市。貿易、流通、ビジネス…どの面においてもこの都市を征する者はこの国を征すると言われている。

そんな大都市はなぜか他の都市に比べて犯罪の発生件数が極端に少ない。

それは二つのマフィアの組織が互いにこの年の支配権を狙いぶつかり合っているからだ。

この物語はそんな巨大な組織に巻き込まれ運命を翻弄されたある男の話である。」



母「キャアアアアアアアアアア!!!」


ロランド「ははははは!!!!!」


母「だれか…!!だれか助けて!!」


ロランド「ここには誰も来ないさ…!!!おらっ!!(★殴る×3)」


母「いっ…。きゃあ!!!!!」


ロランド「死ぬのは怖いだろう?」


母「おねがいやめっ…」


ロランド「…………。」


  SE:殴る


母「うっ…」


ロランド「ふ…。早く吐けばいいものを…。あっけなかったな。」


母「………」


ロランド「………(タバコに火をつけ吸う)………つまらん(去る)」


ニック「……………。」


母「う………。」


ニック「…かあ…さん……」


母「ニ……ック………。」


ニック「…………っ」


母「ここに……いては………だめ…。に………げ…て……。」


ニック「母さん…!嫌だよ母さん!」


母「ニッ……ク…………。あい……し……て………る………わ」


ニック「母さん……?…母さん!母さん!!!」






ニック「っ!!!母さんっ!!………っ……はあ……はあ、はあ、はあ………っくっそ…。………また………あの夢……。はあ…。」




  SE:蛇口をひねり水を出す。

シャワー音。 C.I.


ニック(M)「…ったく。最近やたら、あの日のことを夢に見る。頭の中にこびりついた嫌な記憶は、何度浴びてもシャワーじゃ流せねえらしい。あいつを消せばこの悪夢も終わるってのか?まあ、やりゃあわかるか。」



  SE:シャワー音 C.O.

     蛇口をひねる音。



ニック「はあ…。」


アレックス「(★ノック音)ニックさん!ニックさん?いるんでしょ。ここ開けてください。」


ニック「…………アレックス。」


アレックス「げ、寝起きっすか」


ニック「あぁ?」


アレックス「シャワー浴びたんだろーけど…顔がまだ夢の中ですよ」


ニック「……るせぇな…」


アレックス「とにかく、入りますよ。この前借してた万年筆、今日こそ返してもらうんですから」


ニック「はあ、わかったよ。遅くなってすまねえな。」


アレックス「全くですよ。……うわー…。結構散らかってますね……。」


ニック「…そのうち片付ける。」


アレックス「酒臭。」


ニック「男の一人暮らしなんてこんなもんだろ(★缶ビールを開け飲む)」


アレックス「…にしてもこれは結構……う、これ…なんすか」


ニック「……緑茶。」


アレックス「緑茶の色…してないっすけど…。」


ニック「飲んでみたら?」


アレックス「馬鹿言わないでください、見ただけで吐きそう」


ニック「………(ビールを飲む)はあ。」


アレックス「で、万年筆どこっすか。」


ニック「あ?なんだよ。その変にねぇか?」


アレックス「ないですけど…。まさかなくしたんですか?」


ニック「え…いやあ…はは…」


アレックス「はあ、こんなに散らかってるからなくすんですよ。あれ、結構大事なんですからね」


ニック「わりいな」


アレックス「ニックさん、ほんと僕思うんですけど、こんな生活大丈夫なんすか?恋人の一人でも作ったら…」


ニック「……(ビールの缶を机に置く)………。」


アレックス「……?ニックさん…?」


ニック「…………。」


アレックス「……………?」


ニック「……アレックス…上の引き出し開けてみ…。」


アレックス「…?(★引き出しを開ける)写真…?」


ニック「彼女。…亡くなったんだ。」


アレックス「…え…」


ニック「…もう数年前の話だけど。交通事故に巻き込まれて。」


アレックス「そう…だったんですか…。」


ニック「かわいいだろ。それ、買い物デート中の彼女。」


アレックス「……。」


ニック「俺がエスカレーター乗ったらさ、ちっちゃい彼女が不思議そうにこっち見てて…思わずおでこにキスしたら顔真っ赤にして目真ん丸でおどろいてやんの。ははっ。」


アレックス「……ニックさん………。」


ニック「146㎝。当時は周りにロリコンて茶化されたな」


アレックス「………。」


ニック「まあ、もう過去の話だ。そんな顔するなよ。」


アレックス「……。」


ニック「そろそろ行こう。ボスが待ってる」


アレックス「…すいません。」


ニック「やめろよ、もう終わった話だ。」


アレックス「…………はい。」



N「気まずい雰囲気の中、ニックは車を走らせた。そして彼らの職場と呼ばれるとある一室の前。」



ニック「いつまでシけた面してんだ。しゃんとしろ。」


アレックス「だって…。」


ニック「仕方ねえやつだな。ほら、入るぞ。緊張感持て。」


アレックス「…はい」



N「男がドアを開けると大きな革張りのソファーに腰掛け男に笑みを浮かべる1人の男がいた。周りには取り巻きの場に数人の男がいるが手をかざし人払いをする男、その様子からかなり立場が上の人間であることが伺い知れる。」



ニック「おはようございます、ボス。」


アレックス「おはようございます」


ジェラルド「よう、兄弟。」


ニック「遅れてすいません」


ジェラルド「いや、気にするな。むしろ今日は来ないかと思っていた。」


ニック「え…?」


ジェラルド「墓参り。行かなくていいのか。」


ニック「………!」


ジェラルド「お前にはずっと働き詰めにして悪いと思っていたんだ。」


ニック「そんな、」


ジェラルド「両親の命日くらい、元気な姿見せに行ってやれ」


ニック「ボス…。」


ジェラルド「そのかわり、また明日からたっぷり働かしてやるからよ。」


ニック「ありがとうございます。」


ジェラルド「アレックス、お前も疲れてるだろ。お前らセットで今日だけ羽伸ばしてこい。」


アレックス「…!ありがとうございます。」


ニック「失礼します」


アレックス「失礼します」



  SE:車の音



ニック(M)「組織の仕事に終われ、酒に逃げ、自分の両親のことも忘れていたなんて。だから最近悪夢を見ることが多かったのか?」


アレックス「……ニックさん?」


ニック「…アレックス…。…あれが自分たちの組織と敵対してるもうひとつのマフィアのビル。」


アレックス「………。」


ニック「俺の両親の墓に…ついてきてくれるか。なにせ久しぶりでさ。どんな顔して両親に会えばいいのか。」


アレックス「いいですよ。僕でよければ。」


ニック「…………。」


アレックス「ニックさん…?」


ニック「……………。」


アレックス「…………………。」


N「程なくして郊外の墓地に車が泊まり二人は無言のまま目的の墓を目指す、大きくも小さくもなく周りの墓に紛れるようにその墓はあった。「アルド・フォンターナ、ラーラ・フォンターナ、ここに眠る」」


ニック「…………………。」


アレックス「…………………。」


ニック「俺が5歳の時の今日、両親が死んだ。」


アレックス「………え…。」


ニック「殺されたんだ、例のマフィアのボス、ロランドに。」


アレックス「見たんですか」


ニック「あぁ。俺の家から出ていくあいつの姿がほんとうに憎たらしくて、、」


アレックス「………。」


ニック「父さんも母さんも俺を守るために必死に戦ったんだ。なのに、、俺は…隠れているだけでなんにも出来なかった!」


アレックス「……………。」


ニック「…もう俺はあの時のガキじゃねぇ。」


アレックス「私情を持ち込むのは」


ニック「わかってる。…でも俺の手で仇を討ちたいんだよ」


アレックス「ニックさん」


ニック「…アイツだけは絶対に許さねぇ。」


アレックス「…そうですね」


ニック「ジェラルドのボスには感謝してんだ。身寄りのない俺のことを引き取ってくれて。生きている意味すら見いだせなかった俺のために生きろって言ってくれた。目的が同じなら俺のファミリーになれって。」


アレックス「そんな小さい頃から…。」


ニック「ジェラルドは俺にとって兄であり父親であり命の恩人でこの街を支配するべき人間だ。俺はボスをこの街の支配者にするのが夢なんだ。」


アレックス「そうですね」


ニック「…悪い、熱くなっちまった」


アレックス「いえ、ニックさんと同じ気持ちです」


ニック「アレックス」


アレックス「あなたにとってのボスが、僕にとってのニックさんです。僕はあなたについていきますよ、先輩。」


ニック「……ふ、いつから俺のことそんなに慕うようになったんだ?」


アレックス「何言ってんですか、ずっとですよ。僕が行き場のない捨て猫になったあの日から。」


ニック「かわいかったもんな」


アレックス「今でもかわいいでしょ」


ニック「そうゆうとこ、生意気。」


アレックス「これからもかわいがってくださいね」


ニック「あんまり調子にのるなよ?」


アレックス「ほら、きっとご両親も笑ってます」


ニック「…そうだな」








ジェラルド「そんなバカな話あるわけないだろう!」


アレックス「…!」


ニック「電話…してるのか…?」


ジェラルド「ああ…うん…………ら………………って……………な…」


ニック「よく聞こえないな」


アレックス「気になりますけど邪魔になりそうですし出直しましょう」


ニック「そうだな」


SE:扉開く


ジェラルド「お前ら…」


ニック「あ…」


ジェラルド「…入れ。ちょうど話があったんだ。」


アレックス「すいません、立ち聞きなんて。」


ニック「なに、話してたんですか」


ジェラルド「………まあ座れよ。」


ニック「……はい」


ジェラルド「今の電話は組織が雇う情報屋からだ」


アレックス「情報屋。」


ジェラルド「ああ、近いうちに敵対組織が大きな取引を行うらしい。」


ニック「取引?」


ジェラルド「あぁ。詳しいことはわからんが、その取引が成立したら今まで拮抗していた2つの組織のパワーバランスは崩れ、俺たちの組織は潰されてしまうほどだろうと。」


ニック「…!」


ジェラルド「確かに表面上はこの街は平和だ。それは二つのマフィアがお互いに互角であった為バランスを保っていたからだ。何としても敵の取引は阻止しなければならない。」


アレックス「どうしたら…」


ジェラルド「それがまだ…情報屋からの話が詳しく来てないのだ…」


ニック「そうですか…」


ジェラルド「情報が回ってきたらすぐ伝える。我々の組織を潰されるわけにはいかないからな。」


アレックス「……………………。」


ニック「………………はい」




  ~BAR~



  SE:グラスの氷が動く音



ニック「……(グラスの酒を一口飲む)…ふう。」





  回想


ジェラルド「確かに表面上はこの街は平和だ。それは二つのマフィアがお互いに互角であった為バランスを保っていたからだ。何としても敵の取引は阻止しなければならない。」


  回想終了





ニック「…………(グラスを持つ手に力をこめる)。」


ロランド「そんな顔してると、酒がまずくなるぞ」


ニック「………んぁ……?………っ!!!」


ロランド「……………隣、開いてるか?」


ニック「………………。」


ロランド「……(座る)」


ニック「…………。」


ロランド「ジャック・ダニエル」


ニック「…………………」



  SE:お酒をグラスにつぐ音と机に置かれる音



ロランド「…………………」


ニック「…………………」



ロランド「…(ジャック・ダニエルを口にする)……………少し俺に時間をくれないか。話があるんだ。」


ニック「…………俺なんかに何の用だ」


ロランド「俺なんかに…か。お前、俺の事知ってるな?」


ニック「………………。」


ロランド「最初に言っておくが、俺はお前と戦う気は無い」


ニック「…………………。」


ロランド「単刀直入に言う。うちの組織に入らないか。」


ニック「え…」


ロランド「うちの組織に入らないかと言っているんだ」


ニック「なんで…」


ロランド「アルド・フォンターナ。」


ニック「!」


ロランド「ラーラ・フォンターナ」


ニック「父さんと母さんの名前…」


ロランド「そして坊主。ニック・フォンターナ。」


ニック「!!!あんた…!」


ロランド「返事はまた後日聞きに来る」


ニック「おい、待てよ、まだ話は(終わってない)…!!」


ロランド「返事はまた後日。聞きに来る。」


ニック「おい!」


ロランド「いい返事、期待してるぞ」



  SE:店を出ていく音



ニック「っ……。どうゆうことだよ…」








アレックス「…で、ベニートの野郎が全然動じなくて」


ニック「…うん、」


アレックス「……ニックさん」


ニック「……うん」


アレックス「ニックさん」


ニック「うん…ん?なんだ?悪い、聞いてなかった」


アレックス「はあ、どうしたんですか?なんかさっきからずっとぼーっとしてるみたいですけど」


ニック「え?いや…そんなことねえよ。で、バルトロがどうしたって?」


アレックス「……はあ。ベニート!って、そんな話はどうでもいいんですよ。なんなんですか。」


ニック「いや…」


アレックス「あ、もしやあの緑茶飲んで部屋の片づけについて本気で悩んでるとか…?」


ニック「なんでそうなるんだよ」


アレックス「だってよっぽどですよ、あんな…」



  SE:携帯の着信




アレックス「…ん?(電話に出る)アレックス・マリアーニだ。…え?…!わかった、……っ。ああ、すぐ行く。(電話を切る)ニックさん大変です!!」


ニック「…なんだ」


アレックス「ボスが何者かに襲われたって」


ニック「なに?!」




   SE:病室のドア開ける




ニック「兄さん!!」


アレックス「ボス!!」


ジェラルド「………ああ、よく来たな」


ニック「体は大丈夫なんですか」


ジェラルド「ああ、なんとかな。腕だけで済んでよかったよ」


ニック「……(安堵のため息)」


アレックス「……………。」


ジェラルド「移動の時車から降りたところを覆面の男達から襲撃されたんだ」


ニック「…覆面の…。顔は見てないんですか」


ジェラルド「残念だが…。だがスーツの胸にドラゴンの刺繍がしてあったからロランドファミリーで間違いないと思う」


アレックス「…え…」


ニック「……なんてやつらだ…。」


ジェラルド「心配かけてわるかったな」


ニック「ボスが無事なら俺たちは全然…」


ジェラルド「くれぐれも気をつけるように。やつらは一筋縄ではいかない組織だ。」


ニック「わかっています」


アレックス「……………」


ジェラルド「まさか俺がやられるとはな…」


ニック「あの…ボス……」


ジェラルド「ん?どうした、兄弟」


ニック「……いえ。俺がボスを守ります」


ジェラルド「ありがとな」


ニック「…………ボスに傷を負わせるなんて」


アレックス「ボス、その傷は銃でやられたんですか?」


ジェラルド「そうだ。」


アレックス「覆面の男はにげたんですか?」


ニック「アレックス、捕まえていたらとっくに利用しているはずだ」


アレックス「……そうなんですか?(ジェラルドに詰め寄る)」


ジェラルド「どうした、アレックス。何か言いたげだな」


アレックス「何でもありません」


ジェラルド「覆面の男は逃げたよ。応援を呼んで捜索したが見つからなかった。」


アレックス「そうですか」


ニック「でも本当に無事でよかったです」


ジェラルド「当たり所が悪かったら死んでいたな」


ニック「俺がついていれば…」


ジェラルド「仕方ないさ。それより、お前みたいないい兄弟をもって俺は幸せだよ」


ニック「いえ、あの時ボスが拾ってくれてなければ、俺は今ここにはいませんから」


ジェラルド「…そうか」


アレックス「…………………。」


ニック「じゃあそろそろ仕事にもどります。本当は付いていたいくらいなんですが…」


ジェラルド「いや、外にはボディーガードがついているし病室の外には出ないから大丈夫だ。残ってる仕事片付けてこい。俺がいない間、組織はお前に任せる」


ニック「わかりました。」


アレックス「………………」


ジェラルド「アレックス」


アレックス「はい」


ジェラルド「気をつけろよ?」


アレックス「…はい」


ニック「失礼します」


アレックス「…失礼しました」



  SE:病室の扉の開閉音(2人でいく)



ジェラルド「………はあ……。本当に…いい兄弟だな。」







N「組織のボス襲撃されたという報せは組織に緊張を走らせ警戒を強めた。

ボスの命に別状はないとはいえ組織のトップが命を狙われたという事実がマフィアとしての面子に関わる一大事である。ニックもボスの見舞い以来殺気立っていた。」


アレックス「やっぱりそうくると思いました」


ニック「ボスが襲われた現場に実際に来て見るほうがなにかわかるかもしれないだろ」


アレックス「なぜ、ロランドファミリーの組織がジェラルド暗殺を目論んだか」


ニック「ああ。向こうのボスだって俺たちとのパワーバランスを乱すと街がどうなるかわかってるだろ。今回の取引が平和を乱さないだけの力を手に入れられるほど大きな取引なのか…?」


アレックス「ニックさん、思うんですけど…」


ニック「おい…あれ…」


アレックス「………怪しい男…。同じ道を行ったり来たり…」


ニック「まさか…!」


アレックス「ちょ、ニックさん!?」




   2人もの陰に隠れながら




ニック「……………」


アレックス「スーツ…覆面…」


ニック「…あいつが…ボスを?」


アレックス「路地に入っていきますよ」


ニック「気づかれたか…?」


アレックス「…わかりません」


ニック「追うぞ」


アレックス「はい」



  SE:走る



ニック「…いない…!」


アレックス「ニックさん…あそこです!」


ニック「っ…逃がすか!」


アレックス「ニックさん!」



  SE:走る



ニック「はぁ、はぁ、どこいった…」


アレックス「はぁ、はぁ、覆面の男…!何かあるのは間違いないですが…必ずしもボスを…とは言えませんからね!」


ニック「…絶対許さねぇ…」


アレックス「ニックさん…!聞いてます?!」


ニック「もう俺は…大切な人を失いたくないんだ…!」


アレックス「あー、、もう!ちょっと!!」



  SE:走る



ニック「………見つけた……はぁはぁ…。おい…お前がやったのかよ…。」


覆面の男「………………。」


ニック「黙ってねぇでなんか言えよ!!なぁ!?(★殴る)おい、なんか知ってんだろ、話せよ!(★殴る)おい!(★殴る)はぁ、はぁ、満足かよ…人の大事なものに傷つけてよ…。あぁ?(★殴る★蹴る)」


アレックス「ニックさんやめてください!!」


ニック「あぁ゛!?邪魔すんじゃねぇ!!(★アレックスを吹っ飛ばす)」



  SE:吹っ飛ばされた音



アレックス「いっ!!!」


ニック「っ!?」


アレックス「…………いってえ……」


ニック「アレックス、悪い…つい…っ」


アレックス「……………(胸ぐらに掴みかかる)」


ニック「……………っ」


アレックス「ニックさん…いい加減頭冷やしてくださいよ…」


ニック「……………わるい、」


アレックス「(手を放す)」


ニック「………はあ。」


アレックス「…ボスが襲われて焦っているのはわかります。ご両親のこともあるでしょうし。…でも俺たちにはまだやるべきことがあるでしょう」


ニック「………」


アレックス「この人犯人じゃないと思いますよ。よく見てください。」


ニック「………!ドラゴンの刺繍がない…」


アレックス「……はあ。」


ニック「………」


アレックス「(★電話をかける)…アレックス・マリアーニだ。怪しい男を一人捕まえた。ああ。頼む。サウザント通り5番街の路地裏だ。(★電話を切る)……調べることには変わりないですが、ボスが戻ってくるまではじっとしているのが無難な気がします。」


ニック「(深呼吸し、タバコに火をつける)……フぅ…そうだな。」




   間



ニック「アレックス…聞いてくれるか?俺の昔話」


アレックス「………仕方ないですね。今日だけですよ。」


ニック「…(少し笑って)…あの時俺はただの純粋な一般家庭の子供だった。」




ニック(子供)「ねぇ!これ、どうやるのー?」


母「ニック、これはね、こうやって…」





ニック「そう、少年ニックは誕生日を迎えるその日までは本当にただの父さんと母さんが大好きな子供だったんだ。でも誕生日を境に俺の人生は一変した。俺の知らないところで何か大きな物が動いていたのか、それとも偶然だったのか分からない。俺が2階で寝ていると1階から物音が聞こえて目覚めたんだ。最初は父さんと母さんが言い争ってるのかと思ったよ。でもすぐに違うとわかった。助けを呼ぶ母の声、悲鳴、そして父とは明らかに違う男の声だった。あの時俺はただ震えていることしか出来なかった…。」





  SE:殴る、蹴るの音やガラスの割れる音、激しい騒音の中


母「やめて!!放して!!!!!!きゃあ!!!!!」


ニック(子供)「……はあ、はあ、こわい、こわい…母さん…父さん」


母「痛い!!!きゃああああ!!!はあ、はあ、助けっ…いやあああ!!!!」


  SE:銃声


ニック(子供)「!?」




ニック「そして恐る恐る窓から外を見ると…そこには家から出るロランドの後ろ姿が見えたってわけ。」




ニック(子供)「かあ…さん…?…とう…さん…?」




ニック「リビングに広がる光景に俺は叫ぶ事も忘れ、ただ立ち尽くしていた。

昨日まで家族の笑い声が響いていたリビングには二度と笑うことも無い両親の姿があって…………。ほんと、どれくらいそうしていたかわかんねえ。気づけば夜は明けていたよ。そんなとき、後ろから声をかけられたんだ。」



ジェラルド「小僧、災難だったな」


ニック(子供)「ひっ」


ジェラルド「なーに、怖がる必要はない。俺と一緒に来い。」



ニック「そのあとの人生は大半を組織で過ごした。組織の中では淡々とただ毎日仕事をこなすだけ。そんな時、俺は1人の女性と出会った。アモ・レガーレ。写真の彼女。優しくてほっとけないような彼女のことを、すぐに俺は好きになった。マフィアという死と隣合わせの世界に生きる俺にとって彼女はかけがえのない存在だった。」


アレックス「かわいい人でしたね」


ニック「ああ。でもプロポーズを決意した俺が恋人との待ち合わせに指定したカフェに向かおうとした時に事件は起こった。」


アレックス「……………」


ニック「目に飛び込んできたものは車がカフェの店内に突っ込んでいる光景。」


アレックス「………………。」


ニック「ほんと、なんていうか…。あー、俺って神様にきらわれてるのかなって。」


アレックス「ニックさん…」


ニック「俺といると不幸になるんじゃないかなって本気で思ったり…。(★足元にタバコを落とし足で火を消す)」


アレックス「…………。」


ニック「……(苦笑)」


アレックス「………(複雑な表情)」


ニック「行くぞ、アレックス」


アレックス「どこに…」


ニック「俺のお気に入りのとこ。旨い酒でも奢ってやる。」


アレックス「……どうゆう風の吹き回しですか」


ニック「…あー………ははっ。こんな話して急に申し訳なくなってさ。…だっせぇだろ?」


アレックス「…………いえ。」


ニック「………………。」


アレックス「ニックさんに助けられた恩がありますから。…それに…こう見えて僕、あなたのこと慕ってます。」


ニック「アレックス…。」


アレックス「BAR、行くんでしょ。そんなとこで座ってないで連れてってください。」


ニック「……!…あぁ。わかったよ。次はお前の話聞かせろよ?」


アレックス「はいはい」






N「ジェラルド襲撃事件から組織の中では警戒態勢が取られている。ピリピリと緊張感が部屋を支配していた。」


アレックス「あ、ニックさん。ちょっといいですか?」


ニック「どうした、あの男のことか」


アレックス「あ、いえ違うんです。そっちはまだわからなくて…。」


ニック「そうか」


アレックス「口を割ろうとしないんです…というかほんとに知らないみたいで」


ニック「………そうなのか………あ!そういえば、アレックス…(ポケットから物を取り出そうとする)」



SE:携帯



ニック「……?……!…わるい、ちょっと…」


アレックス「ニックさん…?」


SE:廊下を走る音


ニック「(★電話出る)…はい。」


ロランド「…ニック」


ニック「……………。」


ロランド「答えを聞かせてほしいんだ」


ニック「………。」


ロランド「場所は……………」


アレックス「ニックさん!僕、やっぱりどうしても伝えておきたいことがあるんです!!!」


ニック「アレックス、ちょっと出てくるから、あとは任せた。」


アレックス「あっ、ちょっと…」





N「ロランドが指定してきた待ち合わせ場所はニックの生家だった。

ニックにとっては忌まわしい記憶の残る思い出の我が家。勝手知ったる生家の玄関を開け警戒しながらリビングに入っていく。

そこにはソファーに座るロランドの姿があった。そして、ニックの後をつけてきたアレックスの姿も。」


ニック「(★銃を構える)」


ロランド「思ったより早かったじゃねえか」


アレックス「…ニックさんと…あれは…ロランドファミリーのボス…?」


ニック「…………」


ロランド「まあ座れよ」


ニック「………………」


ロランド「………はあ。坊主。これを見ても思い出せないか。(★ポケットから物を取り出す)」


ニック「……!!これは…!!」


ロランド「…2月5日。お前の、坊主の誕生日だったよな。」


ニック「とう…さんの…」


ロランド「そう。アルドがお前にあげたはずのクマのぬいぐるみの腕だ」


ニック「なんでお前が」


ロランド「…話してやる。あの惨劇の真実を。」


ニック「………。」


ロランド「座ってくれるか」


ニック「…………。」


ロランド「じゃあ…このまま聞いてくれ」


ニック「……。」


ロランド「……………ニックの両親を殺したのは私ではない」


ニック「………えっ…」


ロランド「これは俺とお前の父であるアルドが二人で選んだプレゼントだ。」


ニック「2人…?」


ロランド「俺とアルドは昔からの幼馴染でな。アルドが亡くなったあの日、俺は少し誕生日パーティに遅れるかもしれないからと、先にアルドにプレゼントを渡しておいたんだ。」


ニック「……………。」


ロランド「両親が共働きで寂しがりだったお前にぬいぐるみがピッタリだったから…コレを…な。」


ニック「……そんなことまで…」


ロランド「当たり前だろ、坊主と沢山遊んだのに覚えてないなんてな」


ニック「…………」


ロランド「誕生日のあの日、少し遅れてお前の寝顔を見に来たんだぞ。ニック。俺には子供がいないから我が子のように可愛がっていたつもりだった。」


ニック「……………。」


ロランド「そうしたらよ、電気はつけっぱなしで窓はあいてるしひび割れてるしなんだか様子がおかしいと思ってドアノブ捻ったら鍵があいていて…そのまま俺はリビングに入った。そのあとは…言わなくてもわかるだろ、」


ニック「父さん…母さん…」


ロランド「そう。坊主も辛かっただろ。ごめんな、探したんだが見つけられなかったんだ。」


ニック「…俺が…2階の押し入れに隠れてたから…」


ロランド「いや、ちゃんと探していればよかったんだ。親戚かどこかに預けられたか、それとももう組織に連れていかれたのか。そんな想いで俺はフォンターナ家を後にしたんだ。」


ニック「…‪……………。」


ロランド「あの日のことを忘れないように、この撃たれたぬいぐるみの腕だけポケットにいれてな」


ニック「そんな…」


ロランド「…これが真実だ」


ニック「じゃあ…俺は帰るところを目撃しただけ…」


ロランド「そうゆうことになるな」


ニック「……だとしたら…だとしたら一体だれが…」


ジェラルド「おいおいおいおい、遅刻だぞ。ニック。」


ニック「!?」


アレックス「…な、ボス…!?」


ジェラルド「敵を討つんじゃなかったのか?ずいぶんと遅いなっ!」



SE:銃声



ロランド「そうはさせねえよ」


ジェラルド「はーん…?敵のお前が俺たち兄弟の間に首を突っ込んでくるのか?」


ロランド「兄弟か…」


ニック「………俺は………。」


ジェラルド「この俺を裏切るのか?ニック。」


ニック「…………。」


ロランド「坊主、さっきの答えはこいつが1番知ってるはずだ。」


ニック「!」


ジェラルド「フフ」


ロランド「あの日以来だな。ここに3人揃うのは。」


ニック「……………」


ジェラルド「くくくっ」


ロランド「ジェラルド、今夜で終わりにしよう、決着をつけようじゃないか」




  間




ジェラルド「へぇ?面白い展開になってきたじゃねぇか…。なぁ?小僧。」


ニック「…ボス…。」


ジェラルド「まだボスと呼んでくれるのか?甘ちゃんだなあ。」


ニック「…そんな…嘘だろ?」


ジェラルド「ロランドの次は俺の昔話も…聞きたい?」


ニック「聞いてたのか…!」


ジェラルド「ほんと、面白いくらい俺に尽くしてくれるよな?ニック。」


ニック「………………。」


ジェラルド「お前の父親は死ぬべくして死んだ。」


ニック「なに!?」


ジェラルド「ロランド、お前の幼なじみ、と言ったな?」


ロランド「…あぁ。」


ジェラルド「幼なじみが死んでどう思った?」


ロランド「………………。」


ジェラルド「悔しい。悲しい。辛い。」


ロランド「………。」


ジェラルド「そう、絶望的感情が芽生えただろう。兄弟のようにして育った相手が殺されれば何より精神的ダメージになる。」


ロランド「…貴様…。」


ジェラルド「ま、ただのストレス発散でもあったんだけどなァ!?」


ニック「…お前…!!!!!!」


ロランド「ニック、ダメだ」


ニック「どうして!?」


ロランド「………………」


ニック「…!?」


ジェラルド「あー、外の奴らに気づいたのかァ?自分達が共に働いてきた仲間達だ。」


ニック「…くっ…!」


ジェラルド「その悔しそうな顔…最高だなぁ」


ニック「……………。」


ジェラルド「母親の叫び声と父親の恐怖に慄いた顔には劣るけどなァ?」


ニック「……!!ぁぁぁぁああああああ!!!!!!!」


ロランド「おい、ニック!!やめ…」


ニック「どうして!!!どうして両親を殺しておきながら俺だけ助けた!?なぜ俺を育てたんだ!?」


ジェラルド「くくくっ…。」


ニック「…っ」


ジェラルド「帰り道にふと思いついたんだよ。両親が無残にも殺された少年は使えるのではないか…と。」


ニック「なに!?」


ジェラルド「感情をなくし殺し屋にしたてれば何より組織のため…いや己の利益のためのいい駒になる。」


ニック「お前…」


ジェラルド「我ながらいい考えだと思ったよ。」


ニック「……このっ…!」


ジェラルド「……おっと」


アレックス「ニックさん!!!!」



SE:銃声



SE:倒れる音



ニック「アレックス!!!!?」


アレックス「う…ぅ…。」


ジェラルド「ちっ、邪魔が入ったか」


ニック「……っなん…」


アレックス「ニック…さん…無事です…か…」


ニック「おま…なにしてんだ…!」


アレックス「へへ…、ニックさんがって思ったら…体が…勝手に動いて…」


ニック「馬鹿野郎…」


ジェラルド「俺は悪くねぇぞ?お前の銃には迷いがあったからなぁ?」


ニック「…アレックス…」


アレックス「ニックさん…よく…きいて…ください…。」


ニック「もう…喋るな…」


アレックス「ジェラルド襲撃は自作自演です。」


ニック「…え…」


アレックス「ニックの…標的を………取引前に…ロランドに向けさせ…殺させる為だったんだと…思います…。襲撃時に…覆面をかぶっている男が…自分の組織の制服なんて…着てくるはずない…!!」


ニック「!!!」


アレックス「それに…銃で撃って逃げられるほどの距離ならドラゴンの刺繍まで…見えるはずないだろ…。刺繍が見えるほど近いなら…ボディーガードがとっくに捕まえてる。俺たちの兄弟はそこまで落ちぶれちゃいねえ…!!」


ニック「アレックス…」


アレックス「ニックさん…。僕は…ニックさんに仇を……っ…。」


ニック「おい…嘘だろ…アレックス!アレックス!?」


アレックス「……………。」


ニック「……………。」


ジェラルド「(拍手)」


ニック「…………………。」


ジェラルド「実に素晴らしいよ。そいつの言うことは正解だあ。俺のことを嗅ぎ回っていたみたいだからちょうどよかった。」


ニック「…………。」


ジェラルド「目が他の奴とは違ったからな。すぐ分かったよ。俺のことを勘繰るような目付き。」


ジェラルド「人は幸せになると牙を抜かれた狼のようになる。」


ニック「何が言いたい?」


ジェラルド「人生の中での大きな幸せの一つに結婚があるな。」


ニック「……………。」


ジェラルド「アモ・レガーレ」


ニック「……!」


ジェラルド「最後のティータイムは楽しめたのかな?」


ニック「ま…さか…。」


SE:トラックの急ブレーキ音

   店に追突した音

   騒音

   音をすべてカットした後


ニック「……………」


ジェラルド「くくくくくくく…ははははは!!!!!!」


ニック「ジェラルド…!!!!!」



SE:銃声2発(ほぼ同時)




      間




SE:人が倒れる音



ニック「………はあ、はあ、はあ……っ。」



SE:人が倒れる音



ロランド「坊主!!!!」


ニック「はあ、はあ、はあ…」


ロランド「坊主!坊主!しっかりしろ!!」


ニック「ロランドさん…。にげて…ください…。ここにいては…外の…敵が…」


ロランド「心配するな、外のやつらはすでに制圧してある」


ニック「はあ、はあ、はあ、」


ロランド「今病院に連れて行ってやるからな、もうしゃべらなくていいから」


ニック「もう…」


ロランド「え?」


ニック「もう、俺は…助からない…。」


ロランド「弱音なんか吐くんじゃねえ!!弱音なんか…」


ニック「ロランド…さん。お願いが…あるんです…。」


ロランド「なんだ、なんでも言ってみろ」


ニック「俺を…」


ロランド「…………。」


ニック「俺を…ロランドさんの……ロランドさんの手で…殺して…ください…」


ロランド「なっ…」


ニック「お願い…しま…す。」


ロランド「そんなことできるわけな…!!!」


ニック「おじさん…!ロランド…おじさ…ん…」


ロランド「!!!」


ニック「このまま…やつの手で死ぬのは…嫌なんだ…だから…せめて…」


ロランド「…………わかった」


ニック「(微笑む)………ありが…とう…」


ロランド「……………っ……。」




  SE:銃声





N「星明かりもない雲におおわれた闇夜に一発の銃声が響いた。

あの日の夜のようにロランドは一人、ニックの家をあとにした。その手には再びあのぬいぐるみの腕を握りしめて。」




    間




N「町外れにある墓地。ニックの両親の墓の横に新たに立てられた墓石には「ニック・フォンターナ」の名が刻まれている。

その墓石の前に立つ二人の男。大柄な男はロランドである。ロランドはもう一人の男に話しかける。」


ロランド「…この街は二つのマフィアの力がいる。拮抗した力が外部からの驚異を退けこの街を守っている。俺の組織に対抗出来るジェラルドの組織はボスの座が空いてしまったな。」


アレックス「…………。」


ロランド「そっちの後のことは任せるぞ、アレックス」


アレックス「(頷く)」


ロランド「そうだ、これ(ポケットからなにやら取り出す)」


アレックス「これは…」


ロランド「坊主が最後に渡してきたものだ。お前のなんだろ。この万年筆。」


アレックス「……っ…ニックさん…!」


ロランド「…いい後輩を持ったな、坊主。」


アレックス「…ロランドさん」


ロランド「ん?」


アレックス「ニックさんは真実を知って逝ってしまいました。復讐に生き、その一生をジェラルドによって弄ばれ、彼は幸せだったのでしょうか」


ロランド「(タバコに火をつけ、タバコを吸う)…今頃、アルドとラーラと恋人と一緒にいるんだ。そりゃ幸せだろうよ、

………死ぬほどにな。」


アレックス「…………はいっ!!!!!!」




END

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