復讐

それから毎週、バッグミラーに映る妻は僕を睨みつけていた。




どうして妻は睨んでいるんだ。


やはり僕のことを恨んでいるのか。


聞きたいけど怖くて聞けない。



だってバッグミラーに映るとき以外はいつもとなんら変わらない笑顔の妻なのだ。




僕がおかしいのか。



妻はなにを考えているんだ。



もう運転するのがこわい。


もうドライブもやめたい。





罪滅ぼしのつもりで始めたこの家族サービス、自分からやめることはできない。



でもこの運転中、僕は睨まれ続けている。



背筋が凍るような思いをしながら長距離の運転をしている。




これは妻からの嫌がらせなのか。



復讐なのか。




それすらも確認できない。





 








あぁ、また日曜日がくる。








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バックミラーの妻 @nini-inin

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