くるり くるり ダンス
沙耶
第1話
早朝、樹上ではメジロたちが宴会を開いている。甘い蜜を吸いながら楽しそうにおしゃべり。スズメは羨望と嫉妬が入り混じった眼差しで、それを見つめていた。一度真似をしてみたのだが、太いクチバシが花の中から抜けず大変な目にあったのだ。
どうにかしてあの蜜を吸いたい。悩んでいる間にも、メジロたちはおいしそうに花から花へ。スズメは我慢できなくなって、根元にかぶりついた。甘い香りが広がった瞬間、コソコソと声が聞こえる。
(まぁ野蛮)
(お花ごとちぎってしまうなんて)
いたたまれなくなったスズメはその場を飛び去った。
くるくる、くるくる、弧を描いて落ちた花。通りすがりの女の子が髪の毛に挿してにっこり、駆けていく。
くるり くるり ダンス 沙耶 @SayaPhotoba
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます