王女様は王女様であり続けるために婚約破棄しないといけない~なぜ婚約破棄しないといけないのか~
一ノ瀬 彩音
第1話 非公開でのお付き合い
現在、私、クリス・マーキュルには大好きな人がいるのですけれど、
その大好きな人とは婚約してて婚約者でもあるわけですが、
実はその人は一般市民なのです。
私自身は王女なのでそういう人とお付き合いするというのは
良くありません。
本来ならばすぐに別れるべきなのでしょうけど、なかなか
そうも言ってられないので辛抱しているのです。
その大好きな人とのお名前はアイムス・バージと言いまして、
本当に一般市民なのでご迷惑かけるわけにはいきません。
今、私はお城に居るのですが、そろそろアイムスの元へ
行かないといけないです。
私はこっそりとお城から出てアイムスに会いに行くのですが、
兵士が見回りをしててなかなか抜け出すのも難しい。
それでも私は会いに行きたいので会いに行くのです。
アイムスが居る所に辿り着くと私はアイムスに声をかけるのです。
「ごきげんよう、アイムス」
「ごきげんよう、クリス王女」
「もうっ、クリス王女って言わないで」
「ごめん」
「クリスって呼んで」
「クリス」
「ありがとう呼んでくれて」
私とアイムスは見つめ合うとキスしているのです。
こうやってキスしている時はアイムスの事しか
考えられません。
それくらいに大好きで愛しているのです。
しかし、今日はそんな事を言いに来たわけではありません。
きちんと言うべきことは言わないといけないです。
「アイムス」
「何?」
「言わなきゃいけない事があるの」
「何なの?」
「婚約していると思うけどね」
「うん」
「婚約破棄しないといけないの」
私の言葉を聞いたアイムスが残念そうな顔をしているのです。
正直私も婚約破棄なんてしたくないけれど、こうするしかない。
バレる前に婚約破棄して別れれば問題ないです。
それにこのままでいる方がリスクが高いのでまずいのです。
「本当にごめんなさい」
「クリス、本当に婚約破棄するのかい?」
「うん」
「そっか、クリスが決めた事ならしょうがないねと
言いたいけれど、俺は認めない」
「どうしてよ」
クリスは私を抱きしめてくるとキスしてくるのでした。
「クリスの事をこんなにも愛しているのに」
「それはわかるけれど、ごめんなさい」
「嫌だ、別れたくない!」
これはまずい状況ね。
婚約破棄したいのに出来ないなんてどうしようもありません。
本当にどうにかしないといけないのでなんとかします。
「婚約破棄させて頂戴」
「嫌だ」
「婚約破棄させて」
「嫌だ」
「わからずや」
「裏切者には言われたくない」
「このままでいればお互いにまずいのよ、わかってよ」
「そうだね、クリスは王女だし、王女としての立場も
あるね」
「わかっているのなら婚約破棄しましょう」
「分かったよ、クリス」
「ごめんなさい、アイムス」
アイムスは私の前から歩いて何処かへと行ってしまうのでした。
それでも私は婚約破棄した事は後悔していません。
私が王女なのでやっぱり婚約破棄するしかないのです。
幸せはこの先もあると思うので頑張ります。
まずは王女として責務を果たすだけです。
幸せはその後からでいいかなって感じです。
王女様は王女様であり続けるために婚約破棄しないといけない~なぜ婚約破棄しないといけないのか~ 一ノ瀬 彩音 @takutaku2019
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